第二百五十二段:衛星データによる地球表面温度の観測
地球の温暖化には二酸化炭素などの温室効果ガスが強い影響を及ぼしていることから、温室効果ガスの観測が人工衛星を用いて行われていることをこれまで書いてきました。
人工衛星で地球表面の温度を観測するということも行われています。
たとえばJAXAは「地球環境変動観測ミッション(Global Change Observation Mission:GCOM)」というプロジェクトを進めています。
このプロジェクトではGCOM-W、愛称「しずく」という人工衛星と、GCOM-C、愛称「しきさい」の2種類の人工衛星が中心になって地球の表面温度の観測を行っています。
「しずく」は高性能マイクロ波放射計2(Advanced Microwave Scanning Radiometer2 ; AMSR2)という直径約2mの大きなアンテナで、約700kmの高度から海面や大気中の水蒸気などから放射される微弱な電波をキャッチし、この微弱な電波を解析することで、「しずく」という名が示すように、水に関する情報を中心に担当し、海面温度の観測を行っています。

図‐1は「しずく」が観測した2021年4月1日の1日分の海面温度の分布です。
図中の黒い部分は1日では観測できない所を表しています。
マイクロ波放射計は雲があっても海面を観測可能なことから、冬の日本海など季節によって晴天領域がほとんどないような海域でも、連続的な海面水温の変化の監視をすることができます。
一方の「しきさい」はエアロゾル(大気中のチリやホコリなどの微粒子)が地表へ届く日射量に与える影響や、植物などによる二酸化炭素の吸収能力をはじめとした、地球の気候に影響を及ぼしている様々なデータを観測し、それらのデータを解析することによって地表面の温度を観測しています。

図-2はその一例で、2018年8月1日の10:40頃に観測された日本中央部の地表面温度です。
図の白色の領域は雲の領域を示しています。
これらの他に、天気予報によく出てくる地球観測衛星「ひまわり9号」も時々刻々と変化する地表面温度や海面温度を高頻度で取得しています。

