第二百四十四段:カムチャッカ地震①

 この30日朝、大きな地震のニュースが飛び込みました。
 カムチャッカ半島沖でM8の地震が発生、津波の高さ1mの注意報がほぼ全国の太平洋縁岸に出されました。

 

 気象庁の発表はその後マグニチュードは8.7に、津波も3mの警報に上げられました。
 ニュースによると200万人を超える人が避難したとのことです。

 

 このマグニチュード、そして津波の高さが引き上げられることは東日本大震災でもありました。
 これは気象庁の予測精度が悪いというより、現在の予測の仕方そのものに限界があり、避けられないことなのです。

 

 1983年日本海中部地震で100人、1993年北海道南西沖地震で200人を超える人が津波で亡くなりました。
 以来、気象庁は一刻も早く津波の情報を提供するために大変な努力をしてきました。

 

 現在、気象庁はまずはマグニチュードを地震波の振幅から決めます。
 ちなみにこれを気象庁マグニチュードといい、MJと表されます。

 

 海底にも地震計を設置して、一刻も早く地震の観測ができる体制を整えてきました。
 しかしながら地震波の振幅はマグニチュードが8くらいになるとそれ以上あまり大きくなりません。

 

 ということは、地震の振幅からマグニチュードを決めている限り8くらいが上限ということになります。
 今回も、東日本大震災の時も、まさにこのことが起こったわけです。
 しかも、津波の高さはマグニチュードから決めています。

 

 気象庁は日本近海の海底のどこで(震源の場所)マグニチュードいくらの地震が起こるかを、何十万ケースも想定していて、それぞれの場合に対して、日本沿岸のどこにいつ頃どれくらいの高さの津波が襲ってくるかをデータベース化しています。
 そして、地震が起こればそのマグニチュードと震源の場所からもっともその条件に近いデータベースの中の津波の情報を引き出し、すぐに発表する、という手順になっています。

 

 では今回修正された8.7とか東日本大震災の時の9.0というマグニチュードは何なの、ということになります。
 これらのマグニチュードはモーメントマグニチュードといって、地震で破壊した断層の面積や断層のずれの量などから決められ、MWと表されます。

 

 地震のエネルギーを表すにはこちらのほうがより正確なのですが、少し時間がたたないと決められないということがあります。
 したがって、マグニチュード8を超える地震だとこのように時間が少したってからマグニチュードが大きくなったり、津波の予報高さが高くなったりするのです。

 

 南海トラフの巨大地震でもマグニチュードが8以上になりますので、同じことが起こると考えられます。
 したがって、第1報の津波の予測高さがあまり高くなくても、その後高くなることは十分考えられ、引き続きその後の津波情報に注意をして安全な行動をとることが大切です。

 

 

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