第二百五十五段:南海トラフの地震活動の長期評価③
今週も引き続き先月26日地震調査研究推進本部から公表された、「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)について」説明します。
今回のように地震の長期評価、すなわち地震の発生がいつ頃どれくらいの確率で起こるかを評価(想定)するためには、地震発生のメカニズムを表す地震発生モデルが使われます。

図はそのモデルの変遷の様子を表したものです。
最初に考えられたのが、左下『①固有地震モデル』です。
このモデルでは、プレートの動き(南海トラフだとフィリピン海プレート)によってひずみが限界値に達すると地震が発生、その際、規模(マグニチュード)も発生間隔も一定というモデルです。
しかしながら発生間隔は一定ではありません。
そこで、ある一定の間隔はあるものその値にはばらつきもある、というモデルが次に考えられました。
左上の『②BPTモデル』です。
今回公表の20~50%と言われたのがこのモデルによる結果です。
一方で、南海トラフの地震に関しては、室戸岬の室津港に過去3回の地震による隆起量が残っています。
そこでこの隆起量の記録を用いて次の地震の発生時期を想定しようというモデルで、右下の『③時間間隔予測モデル』がそれです。
これがこれまでの長期評価に使われていて、「80%程度」と言われていたものです。
このモデルでは前の地震の規模に比例した間隔で次の地震が起こる、ということで、前の地震の規模が大きければ次の地震までの間隔が長くなり、規模が小さければ次の地震までの間隔が短い、ということになります。
ただ、それらの隆起量にも誤差、あるいはばらつきが考えらえるということで、今回そのばらつきを考慮に入れたモデルが使われました。
右上の『④SSD-BPTモデル』です。
この『④SSD-BPTモデル』によると30年以内に南海トラフの巨大地震が発生する確率が「60~90%程度以上」になるということです。
私はこれまでの延長線上で、過去の地震の履歴に加え隆起量のデータも用いた『④SSD-BPTモデル』の結果の公表でいいのに、他の地震と同様に過去の地震の履歴だけから予測する『②BPTモデル』の20~50%という結果も併せて公表したので、分かりにくくなったと思います。
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