防災・減災のススメ

防府日報に連載中です。

記事一覧

 様々な前提条件や仮定(それも大胆な)を使って、南海トラフの巨大地震による人的被害を求めたところ、最悪のケース、死者614人、負傷者1477人という結果になりました。 前回(平成26年)の被害想定の結果で、マスコミにも「死者614人」と大きく取り上げられました。 しかし、これまでこのシリーズを読んでこられた皆さんは、これらの数字は本当に信用できるのか?と思われるでしょう。 その通りです。 委員長を...

 先週は様々な仮定(それも大胆な)を使って、震度分布を求める所まで説明しました。 震度分布が求まると、次にこの震度を用いて各地の被害を求めます。 例えば、図-1は、過去の震災調査を基に求められた計測震度と木造家屋の全壊率の関係です。 図には、①旧築年、②中築年、③新築年の3本の曲線が描かれています。 ①旧築年は1961年以前に、②中築年は1962年~1981年の間に、③新築年は1982年以降に建て...

 先週、大胆な仮定のもとに震源となる断層を決めます、と書きました。 次は断層が破壊する(ずれる)ことによって地震波が発生しますが、これも大胆な仮定のもとに計算します。 図-1はその方法を説明したものです。 まず大きな断層を小さなメッシュに分割します(図-1の右)。 そしてある小さなメッシュから破壊が始まったとして(震源を仮定して)、その地震波を決めます。 この地震波の決め方は、理論的に決めたり、過...

 東日本大震災までは東海、東南海、南海地震と別々に考えていた地震を、南海トラフ巨大地震一つとして想定することが国の方針として決まりました。 そのために第4回目の被害想定を行うことになったことまで先週書きました。 図は、その東海、東南海、南海地震と、南海トラフ巨大地震の震源を比較して示したものです。 マグニチュード(以下M)は東海、東南海、南海地震がM=8~8.5でした。 これに対して南海トラフ巨大...

 先週22日(月曜日)午後、県庁で第1回山口県地震・津波防災対策検討委員会が開かれました。 テレビのニュースでも放映されたので、ご存じの方も多いと思います。 この検討委員会は、国が南海トラフ巨大地震の見直しをしていることにあわせて、また能登半島地震での教訓を山口県の地震防災対策に活かすことを目的に、防災・減災対策の検討、地震・津波被害想定の見直しを行うために設置されました。 山口県はこれまで4回地...

 17日深夜11時14分、宇和島市沖の宇和海の海底を震源とするM6.6の大きな地震が起こりました。 その時私は三重県の伊勢市にいましたので、揺れを感じることはありませんでしたが、ニュースによると愛媛県と高知県で震度6弱の強い揺れを観測、防府市でも震度4を観測した、ということで、防府市民の方は驚かれたことと思います。 内閣府の被害状況等によると、18日朝7時の時点では、この地震によって愛媛県で6人が...

 4月3日に台湾東部で大きな地震が発生、死者は10人を超え、まだ不明者もいるとのことです。 台湾は、東南東から進んできたフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込み、その潜り込んだプレートの上のユーラシアプレートの端に形作られています。 すなわち西日本と同じようにプレート同士がぶつかり合って、その上に形作られているという環境にあります。 したがって、台湾も西日本と同様、フィリピン海プレー...

 3日朝、台湾で大きな地震がありました。 環太平洋造山帯、太平洋沿岸をぐるっと囲んでいる地震や火山の帯ですが、21世紀になって非常に活発な気がしています。 東日本大震災もそうですし、今回の台湾の地震もその一環と考えられます。 相当エネルギーがたまっており、南海トラフの巨大地震が着実に近づいているように感じられます。 その南海トラフの巨大地震による津波の話を続けます。 先週は津波が押し寄せる時が干潮...

 先週示した防府市の主な港のうち、三田尻中関港(三田尻地区)津波の時刻歴を図の左側に示します。 この図で注意が必要なのが、水位がT.P.ということです。 このT.P.というのは東京湾の平均海面高さ(Tokyo Peil)で、標高でもあります。 グラフをよく見ると、時間0分(地震が起こった時)の水位は0mではなく、約1.6mとなっています。 そしてそのままずっと満潮が続いている状態で、津波がやって来...

 これまで揺れに対する備えについて書いてきました。 その前提となっているのは2014(平成26)年3月に県から公表された地震・津波被害想定結果です。 実は、現在国が南海トラフ巨大地震の被害想定の見直しを行っています。 国の「南海トラフ地震防災対策推進基本計画」(2014年3月28日中央防災会議決定)から10年が経ち、建築物の耐震化、津波防波堤や護岸など、揺れや津波に対するハード対策が進んだこと、そ...

 南海トラフ巨大地震の場合、緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまで、数十秒の時間があることを先週、書きました。 南海トラフ巨大地震の強い揺れは3分以上続くことが予想されますから、とにかくその強くて長い揺れが来る前に、身の回りの安全を確保することが大事です。 起きているときは何とか対応できると思いますが、ぐっすり寝ているときに地震が起こると、避難が間に合わないこともあり得ます。 ですから、寝室には...

 先週の防災・減災のススメ、間違いがありました。 お詫びして修正いたします。 「新耐震」を本文では“1986年以後”と書きましたが、これは図‐1の“1981年6月~”とあるように、1981年の間違いです。(Web上では修正済みです。) 言い訳するようで恐縮ですが、私はよく和暦と西暦がこんがらがるんです。 1981年は昭和56年です。その6が頭のどこかにあって、1986年と書いてしまったのでしょう。...

 南海トラフ巨大地震が起こっても、幸い山口県は緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまでに数十秒の時間的余裕があります。 その間に身の安全を確保すればいいということになりますが、どれくらい時間があるのでしょうか? 図-1はその例を説明したものです。 ここでは震源が山口県に非常に近いところであった場合を考えています。 地震は断層全てが同時に破壊するのではなく、ある一点から始まります。 その一点を震源と...

 先週、南海トラフの巨大地震が冬の深夜に起こると、山口県全体で家屋の倒壊等で死者37人、負傷者約1,350人が出るという想定結果になっていると書きました。 課題はこれをどうすればゼロにできるかです。 まずは生活している自宅、あるいは勤務先の建物に耐震性があるかどうかを調べる必要があります。 木造家屋は2000年以降に建てられたものであれば、よほどメンテナンスが悪くない限りまず大丈夫です。 その一方...

 先週、南海トラフの巨大地震が起こっても、これからしっかりと準備をすれば、物が壊れることはあっても、山口県は死傷者をゼロにできると書きました。 これから具体的にそのことを書きますが、これまでにこの防災・減災のススメで書いてきたことと重複するところもあることはご了承ください。 図は南海トラフの巨大地震、マグニチュード9の地震が山口県にとって一番不利な状況で(震源が四国沖で山口県に近いところで)起った...

 能登半島地震被害の状況は2月6日現在、死者240人、うち災害関連死15人、不明者11人、避難者1万3886人、うち2次避難所に避難している人は5248人、住宅家屋の被害は5万5千棟超となっています。 ライフライン関係は少しずつ復旧はしていますが、いまだに断水はおよそ3万7700戸、停電はおよそ1700戸。 道路は68区間で通行止めとなっています(NHKおよび内閣府)。 厳しい寒さの中での避難生活...

 相変わらず寒い日が続いています。 能登半島地震被害の概略は1月29日現在表‐1の通りです。 多分これを皆さんが読まれる頃は、残念ながら犠牲者の数は増えていることでしょう。 不明者、そして災害関連死の人が出てくるからです。 避難者の方が1万4千人強、そのうち暖かい旅館やホテルに避難している2次避難の方は4千人弱、ということはいまだに体育館などの避難所や被災した自宅で避難生活を送っている人が約1万人...

 日本列島は22日からこの冬一番の寒気が流れ込み、各地で大雪が降っています。 新幹線も雪の影響で遅れが出て、関ヶ原を通る「のぞみ」は約30分の遅れ。 24日、広島に出張しましたが、幸い「のぞみ」以外の新幹線は数分の遅れで、私は影響をほとんど受けないで済みました。 さて、内閣府の「令和6年能登半島地震に係る被害状況等について」(1月24日9時現在)によると、「・・・石川県能登では、25 日にかけて山...

 1月17日は、阪神・淡路大震災から29年目の日です。 私は大阪でその日の朝早く、非常に強い揺れで目を覚ましました。 日米都市防災会議の初日、「次の地震に備えて」という国際シンポジウムを行う、まさにその日の朝に地震が襲ってきました。 私は他の幹事の先生方と会場に残って、被害の様子をテレビで見ていました。 翌日新聞社の車で神戸へ向かいましたが、すでに大渋滞で、西宮まで行くのが精一杯でした。 新幹線の...

 連日寒い中、懸命の救助作業、救援活動が行われています。 元日の地震から10日が経過しました(この原稿は10日に書いています)。 先週(4日)の時点では73名だった犠牲者の数は206人に増え、安否不明者も52名と報道されています(NHKニュース)。 残念ながら犠牲者の数は250人を超えるおそれがあります。 さらには、25,700人を超える人たちが多くの避難所で厳しい生活を送っておられます。 電気も...

 元日、二日と新年早々衝撃的な映像が飛び込みました。 元日16時過ぎ、サッカー日本代表の強化試合が快勝に終わって、そのままテレビを見ていましたら、能登半島の地震のニュースが入り、画面の中で揺れによって手前の家の瓦がずれ、遠くでは家が倒壊したのか、砂煙がもうもうと立ち上がりました。 16時10分、とどめを刺すかのようにM7.6の地震。 石川県志賀町で震度7が観測。 また津波警報も出されました。 津波...

 今回は関東大震災がいかに我が国にとって大変な出来事だったかを経済的な面から書きます。 表は令和5年版防災白書にある、関東大震災、阪神・淡路大震災、東日本大震災の被害の比較表に多少追加して作成したものです。 少し専門的になりますが、東日本大震災だけ地震規模が「モーメントマグニチュード」となっています。 単にマグニチュードとあるのは「気象庁マグニチュード」のことで、これは地震記録の振幅から求められま...

 実は、関東大震災の発生を予測し、備えるように警鐘を鳴らした人がいます。 当時東京帝国大学地震学教室の今村明恒助教授です(写真-1)。 今村助教授は、過去に江戸で起こった被害地震を詳細に研究して、1905 年(明治38 年)に雑誌「太陽」9月号に次のような記事を掲載しました。 江戸では、平均的に100 年に1回の割合で大きな地震が発生している、慶安二年(1649年)の地震と元禄十六年(1703年)...

 関東大震災では、電柱が倒れ、電線が切れ、電話や電報の通信手段がほとんど寸断しました。 このため被災地からの正確な情報が全く入らず、被災者や避難者の安否確認が非常に困難となりました。 当然ながら、政府や行政の対応もほとんどできず、初動対応の不備や組織の混乱があり、通信だけでなく道路、鉄道などの交通インフラも壊滅的な状況で、被災地域に十分な人的、物的な支援が届きませんでした。 すなわち被災者への食料...

 関東大震災では、ちょうど今から5年前に起こった北海道胆振東部地震と同様に、東京都、神奈川県、千葉県、山梨県、静岡県の山沿いの非常に多くの場所で斜面崩壊などの土砂災害が発生しました。 特筆すべき災害の例としては、神奈川県小田原市白糸川で起こった斜面崩壊が山津波(岩屑流)となって、小田原市根府川沿い集落の123戸中64戸を埋没させ、300人を超える犠牲者を出したものです。 この山津波は約6kmを5分...

 今週は「関東大震災」の被害について述べたいと思います。 表は各県ごとの死者行方不明者をまとめたものです。 この論文の著者の一人である武村雅之氏は、私と同年代(ほんの少し私より年下)で、研究分野も近かったので、学会などでよく一緒に話をしたり、飲んだりしました。 彼のライフワークが関東大震災で、非常に多くの素晴らしい研究成果を残しています。 昔の理科年表には、関東大震災の死者不明者は約14万人と記載...

 今年2023年は、1923年9月1日に起こった関東地震から100年になります。 そのため、報道機関で様々な特集が行われ、次の南海トラフの巨大地震や首都直下地震に対する注意の喚起もされました。ここでは報道機関ではあまり取り上げられなかったことを紹介したいと思います。 図‐1に関東地震の震源の位置を、東北地方太平洋沖地震、想定南海トラフ地震の震源の位置と併せて示します。 これらの3つの地震はいずれも...

 先週は高さ1mの津波が、地震発生後10分以内に到達する地域は、断層の破壊開始場所や、大きく断層がすべる場所が変わってもほとんど変わらない、ということを書きました。 そしてそれらの場所は、東から「静岡県の駿河湾沿岸」、「静岡県の御前崎から和歌山県の日の岬沿岸」、「高知県室戸岬沿岸」、そして「高知県足摺岬沿岸」です。 被害想定では3mの津波の到達時間、5mの津波の到達時間、10mの津波の到達時間も求...

 先週、先々週は、国の南海トラフ巨大地震による津波想定結果(平成24年発表)で、どこにどれくらいの高さの津波が押し寄せるか、そして、黒潮町の34.4mばかりがクローズアップされたが、実は太平洋沿岸の各地で、20m、30mを超える津波が押し寄せる可能性のあることが想定されている、ということを書きました。 津波による被害に関しては、津波の高さとともに、地震発生後、どれくらいの時間で津波が押し寄せるか、...

 先週は、国の南海トラフ巨大地震による津波想定結果(平成24年発表)のうち、日本中に大きな衝撃を与えた、高知県の黒潮町で34.4mの津波高さのことを書きました。 被害想定では、南海トラフ巨大地震の断層の、どこで大きな滑りが起こるか、合計11ケースの想定が行なわれています。 断層面での滑りが大きいということは、それだけ海底の上下方向の動きが大きく、それに伴って海水面の上下方向の変化も大きいということ...

 国の南海トラフ巨大地震による津波想定結果(平成24年発表)は日本中に大きな衝撃を与えました。 死者最大32万人、その死因の多くは津波でした。 その津波の高さは、高知県の黒潮町で34.4m、他にも20mを超えるところが四国にはたくさんありました。 東日本大震災の時の津波の遡上高が最も高いところで約40mでした。 この津波の遡上高というのは、津波が陸上を駆け登っていく高さ(標高)です。 過去の例です...

 先週はパニック映画「ポセイドン・アドベンチャー」には、津波に関して大きな間違いがあることを書きました。 映画では津波が壁のようになって迫ってきましたが、そのようなことが起こるのは海岸近くでのこと。 津波の伝わる速さは非常に簡単な式で表されます。 中学校で平方根(√)を習ったら、すぐに計算できます。 津波の伝わる速さ=√ghという式です。 ここにgは重力の加速度で、9.8m/s2、hは水深(m)で...

 先々週、モロッコの地震について、そしてあわせて地中海の地震について少し触れました。 地中海周辺はユーラシアプレートとアフリカプレートがぶつかり合って、地震が多発するところです、と。 地中海の地震で思い起こすのが、まだ私が20代のころ観た、「ポセイドン・アドベンチャー」という映画です。 この映画は豪華客船「ポセイドン号」が、地中海で大津波に襲われ転覆するという映画です。 ポセイドン号はニューヨーク...

 連続テレビ小説「らんまん」、念願の植物図鑑の発行が神戸の若き資産家によって実現しようとしたまさにその直前、関東大震災が起こりました。 万太郎と寿恵子たちは倒壊した長屋から持てるだけの標本を持って必死の避難をします。 東京中が火災によって人々が逃げまどう中、万太郎一家を支えてくれている大畑印刷所の大将が敢然と火に向かって消火を始めようとするシーンがありました。 ドラマの中では大畑印刷所は神田にあり...

 日本時間の9月9日 (土)午前7時11分頃、アフリカ北部のモロッコでマグニチュード6.8の地震がありました。 震央はモロッコ中部ハウズ州の山岳地帯で(図-1の円の場所)、震央近くでは日本の気象庁震度階6弱に相当する強い揺れが襲ったようです。 この地震で、これまでに約2900人が死亡、約2600人がけがをしたとの報道がありますが、この数は残念ながらさらに増えるでしょう。 今回の地震でこのように人的...

 私はあまりテレビドラマは見ないのですが、二つだけは必ず見ています。 一つはNHKの朝ドラの「らんまん」。 植物学者牧野富太郎をモデルにした牧野万太郎の波乱に満ちた人生、やさしさで周りの人を笑顔にし、しかも毅然と自分の意志を通す生きかた。 毎朝のように感動し、元気をもらっています。 もう一つはNHK大河ドラマ「どうする家康」。 先週3日の放送で、最初にあったシーンの「天正地震(てんしょうじしん)」...

 先週の9月1日は1923年9月1日に起きた関東地震からちょうど100年目の日でした。 これを記念して、マスコミ等でも改めて関東大震災が大きく取り上げられました。 そしてこれから起こる首都直下地震、南海トラフの巨大地震に対する備えなども。 以前、関東地震69年周期説、というものがありました。 これは著名な地震研究者が関東で過去に起きた地震を統計的に整理して言われたものです。 現在は関東の地震には2...

 先週は今月17日、福山へ行くために新山口駅発6時27分の『ひかりレーススター590号』に乗ったところ、新岩国駅で約1時間半足止めにあったお話を書きました。 原因は東海道新幹線の車両が新大阪駅でいっぱいで、山陽新幹線の車両が新大阪駅のホームに入れなかった、ということでした。 台風7号によって、15日は計画運休も含めて新幹線の運休が相当ありましたが、16日には復旧するはずでした。 ところが17日の朝...

 先週17日、福山へ行く用事があり、新山口駅発6時27分の『ひかりレーススター590号』に乗った。 前日まで台風7号の影響で新幹線のダイヤが大幅に乱れていたが、定刻通り『ひかりレールスター590号』は新山口駅のホームへ滑り込んできた。 『ひかりレールスター590号』は『ひかり』といいながら実際は『こだま』と同じく各駅に停車する。 徳山駅、定刻通り。「昨夜のうちにダイヤの乱れを解消したか、さすが日本...

 強い台風6号が沖縄の北西の近海に停滞、このため沖縄は長く続く強風、大雨で大きな被害が出ています。 停電も続いて大変な生活の様子が報道されています。 台風6号は今後進路を東に変えて、再度沖縄・奄美の南西諸島を横断、その後九州南方で進路を北へ変え、九州東岸から四国に向かって進むとの予測です。 図は8月4日午前4時現在の気象協会の台風情報です。 予報円は大きく、進路は不確定なところもありますが、この図...

 先週、気象庁から「警報」や、市から「避難指示」が出されたら、危険なところに住んでいる人はすぐに避難して安全を確保しましょう、と書きました。 そのためにはテレビのニュースを見るだけでなく、自分から積極的に情報を取りに行くことが大切です。 防府市は「防府市防災気象情報システム」を通じて、気象情報や災害情報を提供しています。 まだこれを使ったことのない読者の方はぜひこの「防府市防災気象情報システム」を...

 6月下旬から7月上旬にかけては九州・山口で、7月上旬からは秋田県を中心に東北地方で線線状降水帯が次々に現れ、大きな災害が生じています(図)。 先日の報道では、今年になってすでに45回も線状降水帯が発生したとのことです。 今や「線状降水帯」は子供にもよく知られた存在となったようです。 『豪雨災害』=『線状降水帯』のようなイメージが作られつつあります。 言い換えれば、“豪雨災害は線状降水帯によって引...

 現在(7月13日)、私はフィリピンのマニラに出張しています。 ここ数日、日本は、特に九州・山口地方は連日大雨で、被害も相当出ているということで、大変心配しながらインターネットで気象庁の「キキクル」などで豪雨の状況を見ています。 それによると、九州地方では線状降水帯が連日発生しているようです。 実はこの線状降水帯、きちんと定義されていて、次の4つの条件が満たされたときに「線状降水帯」が発生したとし...

 6月30日から7月1日にかけて、大変な雨が九州地方、そして山口県内に降りました。 県のホームページ「防災やまぐち」の「被害状況一覧」を見ますと、7月5日午後7時現在、残念ながら死者1人(美祢市)、負傷者1人(下関市)の人的被害が出ています。 床上・床下浸水は、下関市、宇部市、山口市、美祢市で多く出ています。 県の西部から中央部にかけて、被害が多く出ています。 防府市からは被害は報告されていないよ...

 地震と違って、高潮は台風によって引き起こされますから、情報をきちんと入手しておけば数日前から備えをすることができます。 そこで今週は情報の入手方法について。 まず、市民の皆さんへどのような方法で情報が伝わるかを知っておくことが必要です。 図は防府市の高潮ハザードマップの情報面の『情報を入手する』の部分を抜粋して作成したものです。 この図の左側に市、あるいは報道機関等からどのようなルート(方法)で...

 高潮ハザードマップをどのように使うか、具体的に説明します。 図は高潮ハザードマップ情報面の一部を使って作成したものです。 以下の説明のために番号①~⑥も付けました。①まずは、地図を見て自宅に色が塗られているかどうかを確認します。②色が塗られていて、浸水の深さが0.5m以上であれば、基本的に避難が必要なので③へ進みます。 0.5m未満か色が塗られていなければ、基本的には高潮に対しては避難の必要はあ...

 先週は、ことし4月に公表された高潮ハザードマップと、2009(平成21)年に公表された前回のものとの違いについて説明しました。 想定した台風の中心気圧は前回が935ヘクトパスカル、今回が910ヘクトパスカルです。 これらの台風がどれくらい強烈なのか、山口県がかつて大きな被害を受けた1942(昭和17)年の周防灘台風と、1999(平成11)年の台風18号とで比較してみます。 表は、2つの台風の各種...

 この4月全戸に「高潮ハザードマップ」が配布されました。今も持っておられる方も多いと思いますが、以前にも高潮ハザードマップは配布されています。前回のハザードマップと今回配布のハザードマップの違いは何でしょうか?今回配布のハザードマップは、「想定し得る最大規模の高潮」による氾濫が発生した場合の浸水域、深さを表示しています、とあります。両者の違いをごく簡単にまとめたものが次の表です。 前回のハザードマ...

 引き続きゴールデンウィークで大雨が降った時の「気象庁、キキクル」の話を。 実は土砂災害のことが非常に気になっていました。 というのは、その直前の5日午後2時半ころ地震が起こり、能登半島先端の珠洲市では震度6強が観測されていたからです。 キキクルのページを開いた後『土砂災害警戒情報』をクリックしたときの画面が図の『土砂キキクル』です。 この図を見ると、まさに震度6強を観測した珠洲市に土砂災害「警戒...

 引き続き5月6、7日の大雨が降った時の「気象庁、キキクル」を見ていきます。 図-1は先週も使った図で、今週は『大雨警報』をクリックしてみます。 そうすると「浸水キキクル(大雨警報(浸水害)の危険度分布)」の画面が現れます。 そこには以下の様な説明があります。「浸水キキクル(大雨警報(浸水害)の危険度分布)」は、短時間強雨による浸水害発生の危険度の高まりを、地図上で1㎞四方の領域ごとに5段階で色分...

 大雨や台風が近づいているとき、気象庁の「キキクル」を見て、積極的に情報の収集をして、早めの準備を、ということを先週書きました。 インターネットで、「気象庁、キキクル」などのキーワードを入力して検索をすると、図-1に示す画面が出てきます。 「今後の雨」、「大雨警報」、などのキーワードが並んでいます。 これらのキーワードをクリックするとそれぞれの最新の情報を見ることができます。 まずは四角で囲ってい...

 ここしばらく、地震に関することを書いてきましたが、もうしばらくすると梅雨入りし、また早ければ台風もやって来るシーズンになります。 そこでこれからは風水害への備えについて書きます。 地震と風水害の大きな違いは、地震は突然やって来るのに対して、豪雨や台風は事前に迫っていることを知ることができます。 物の被害は避けられないことがありますが、人的被害、すなわちケガをしない、ましてや命を落とさないための準...

 先週は日本建築学会が、熊本県地震で被害の大きかった益城町周辺の全家屋の被害状況を調査した結果、以下のことが分かったことを紹介しました。①1981年の耐震設計基準の改定前に建てられた木造家屋、いわゆる「旧耐震」で建てられた木造家屋の「倒壊、崩壊」率は28.2%と非常に高かった。②1982年以降、改定後の新耐震設計基準(「新耐震」)で建てられた木造家屋のうち、2000年前に建てられた家屋の「倒壊、崩...

 今から7年前の2016年(平成28年)の熊本地震では、地下を活断層が走っている益城町を中心に大きな被害が生じました。 日本建築学会はこの益城町周辺の全家屋の被害状況を調査しました。 その被害調査結果を、国土技術政策総合研究所と建築研究所に設置された合同被害調査検討委員会が詳しく分析しています。 図はその合同委員会がまとめた木造家屋の建築年代別の被害状況図に私が少し手を加えたものです。 ここに、「...

 シリアとの国境近くで起こった地震の被害がなぜあのように大きくなったか、その理由として、  ①世界最大級の内陸直下地震で、地震の揺れが非常に強かった  ②建築物が脆弱であった、そして  ③トルコとシリアの国境付近は政治的、民族的な複雑性を抱えており、これが迅速で安全な救助・救援活動を困難にした、ということを書きました。 この震災は日本から遠く離れたところで起こった災害ですが、日本にも大きな教訓があ...

 シリアとの国境に近いトルコの東部での地震、大災害になった一つ目の理由が強烈な揺れであったということ、二つ目の理由が建物が脆かったということをこれまで書きました。 そして今回は三つ目の理由を書きます。 図はトルコとシリアの国境付近の現状ですが、ここは世界でも有数の政治的、民族的な複雑さを持つ地域です。 まずシリアですが、ご存じのように、アサド政権が非常に独裁的な政治を行っており、これに反発する反体...

 シリアとの国境に近いトルコの東部での地震、大災害になった理由の一つが強烈な地震動だったということは先週書きました。 大災害になった大きな理由は他にも最低二つはあります。 その一つ、それは建物が脆かったということです。 テレビの画面に倒壊したビルが大写しになりました。 鉄筋が細くて、しかも量が非常に少ないことに多くの人が気づかれたと思います。 また壁や柱がレンガを積んで出来ていることも建物を脆くし...

 先月2月6日のシリアとの国境に近いトルコの東部で起こった最初のM7.8の地震のエネルギーは、わが国で起こった熊本地震の約16倍、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の約22倍という非常に大きなものであった、ということは先週書きました。 今回のトルコの地震で記録された最大加速度は1800ガルに近い記録もあり、熊本地震や阪神・淡路大震災などの日本の直下地震、あるいは東日本大震災の最大加速度にも匹敵して...

 先月2月6日、シリアとの国境に近いトルコの東部でマグニチュード(M)7.8の大きな地震がおこり、後にもM7.5、M6程度の余震が続きました。 ビルが完全にぺっしゃんこになる、いわゆるパンケーキクラッシュした多くのビルの、衝撃的な映像がニュース流れました。 犠牲者は、トルコ、シリアあわせて約52,000人にも上るといわれています。 トルコは日本と同様、4枚のプレートが押し合っている地球上の特殊な場...

 72年も生きていると、少々のことでは驚かなく、またショックも受けなくなるのですが、この度だけは大きなショックを受けました。 3月7日、JAXAのH3ロケットの打ち上げ失敗です。 H3ロケットは、JAXAのこれまでのH-Ⅱロケットをさらにパワーアップし、経済性も追求した、日本のこれからの宇宙開発になくてはならないロケットなのです。 ですからその打ち上げ失敗は関係者に大きなショックを与えました。 私...

 緊急地震速報が出されて、被害をもたらす強い揺れが防府に来るまでに45秒前後の時間がある、この時間内に身を守る行動をとればいい、と先週書きました。 地震によってケガをする理由は、大きく分けて3つです。 その1、すでに書きましたが、津波。 海岸、あるいは河口付近にいて地震の揺れを感じて、あるいは緊急地震速報を聞いたらすぐに高いところに避難する。 そうすれば、だれもケガをすることはありません。その時間...

 今週から、南海トラフの巨大地震による強くて長い揺れから身を守るには、緊急地震速報が非常に重要になる、と言うことを書きます。 まずは、簡単に緊急地震速報の原理の説明を。 地震波には、大別して速く伝わるP波(最初の、と言う意味の英語、PrimaryのP)とそれより少し遅く伝わるS波(2番目の、と言う意味の英語、SecondaryのS)があります。 P波の速度は秒速6~7㎞、S波の速度は秒速3.5~4...

 これまで津波に対して、死傷者がゼロにできるということを書いてきました。 これから数回にわたって、南海トラフ巨大地震の強くて長い揺れに対してどう備えるか、について書きます。 南海トラフの巨大地震が起こったときに、防府市で想定されている震度を図に示します。 佐波川流域および市街地の大半が震度5弱、南東部の沿岸部で震度5強、山地で震度4となっています。 ただし、地震による揺れは地盤条件や地形で異なりま...

 図は防府市全域の津波ハザードマップから、一部を切り出して私が作った図です。 防府市のホームページには地域ごとの詳しい図もあります。 是非見てください。 さて、この津波ハザードマップですが、以下のような前提条件があります。①国が津波のシミュレーションをするために、震源位置を11通り仮定しています。 そのうち山口県にとって一番不利になる(津波の高さが最も高くなる)ような震源に対して行われたシミュレー...

 先週は、南海トラフ巨大地震が起こった時に山口県に到達する津波そのものの高さは1m前後であること、そして、高潮災害の多い山口県では高潮対策のために、これ以上の高さに堤防が整備されていること、したがって一見高さ的には津波の心配はいらないように思えるが、実はそうならないところが災害の難しいところがある。 ということを書きました。 図は阪神・淡路大震災の時に神戸港で記録された地震記録(正確には加速度記録...

 先週は南海トラフ巨大地震が起こったのち、どれくらいの時間で津波が襲って来るかについて書きました。 そしてみんなで助け合って誰もが被災しない時間が十分にあることも書きました。 今週は先週と同じ図を使って津波の高さについて説明します。 最も海水面が高くなるピーク水位は、西浦漁港約2.5m、中関港(中関地区)約2.7m、中関港(三田尻地区)約2.8m、富海漁港約3.1mと想定されています。 ここで注意...

 先週は南海トラフ巨大地震による防府市の犠牲者の想定結果について書きました。 幸いなことに防府市の犠牲者数は他の市町に比べて少ないといえます。 しかしながらこれはあくまでも想定ですから、確実に犠牲者をゼロにする備えをする必要があります。 まず津波による犠牲者の数ですが、実は、地震が起こってすぐ避難する人の割合が20%、しばらくして避難する人が50%、避難しない人が30%という前提条件で算出されてい...

 先週は、県全体の南海トラフ巨大地震による犠牲者について書きました。 今週はそのうち防府市の人的被害について紹介します。 表-1は防府市の死傷者の想定結果を原因別にまとめたものです。 比較のために県内で最も人的被害の多い岩国市の結果も示しました。 3段のうち、上段は冬の夕方6時。 暖房や夕食の準備などで最も火を使っている時間帯。 また通勤などで多くの人が移動している時間帯でもあります。 中段は夏の...

 昨年は10月から前回までの約3か月間にわたって、首都直下地震の被害想定について書きました。 それに対してどうしたらよいかという対策についてはあまり書いていません。 そのことはいずれ書くことにして、年が変わって、改めて近い将来必ず起こり、直接私たちに関係がある南海トラフ巨大地震にどう備えるか、について書きたいと思います。 結論から言って、山口県は死傷者ゼロに出来ると確信しています。 それを実現する...

 引き続き首都直下南部地震の被害想定について。 図は震源となる断層の位置と大きさ、および震度分布です。 地震のマグニチュード(以下、M)は7.3、ちょうど阪神・淡路大震災と同じMです。 強い地震が揺れ続ける時間(継続時間と言います)は阪神・淡路大震災の時が約13秒。 一方、東京湾は地下の深いところに硬い岩盤がお椀のようにあり、そのお椀の中に新しい柔らかい地盤が深く堆積しています。 したがって、同じ...

 図は都心南部直下地震による焼失家屋数の分布を示したものです。 先週示した全壊家屋数の分布とよく似ています。 高い分布を示している所は木造家屋が多く、しかも密集しています。 この辺りは川の近くで地盤が柔らかいのでよく揺れる、したがって全壊家屋数も多いし、火災が発生しても消火活動が困難、したがって焼失家屋数も多い、ということになります。 火災発生件数は最も多いケースである冬の夕方、風速8m/秒で、9...

 都心南部直下地震が起こった時の被害ですが、東京都内どこも一様ではなく、被害の大きい所とそうでない所があります。 そのことを知っているので、東京出張の際には、私はなるべく山手線の外に行かないようにしています。 仕事もだいたい山の手線の内側で済みますので。 基本は「すぐ宇部に帰る」ですが、宿泊しなければならないときには、多少値段は高くなりますが、ホテルも山手線の内側、あるいは羽田空港の近くにとります...

 今週も引き続き「都心南部地震」による被害の話をします。 表‐1は先週も示した人的被害ですが、先週に比べて要因を3つに簡単にしています。 この中で、自力脱出困難者とは家屋の倒壊等によって閉じ込められてしまう人のことです。 その数は冬の早朝がもっとも多く、約35,000人と想定されています。 このほか、避難者数が最大で約300万人(地震後4日~1週間)、帰宅困難者数が最大で約450万人と想定されてい...

 今週も引き続き「都心南部地震」による被害について。 表‐1は先週も掲載の全壊・焼失家屋の数です。 表‐2は人的被害、ここでは死者数を死因別にまとめたものです。 この死者数は地震発生直後の数と思ってください。 この二つの表を見比べて下さい。 地震が起こると約82,000戸の家が揺れや液状化で壊れるのに対して、大半の人が寝ている冬の早朝に地震が起こると、死者が約4,900人、また火災は27,000戸...

 表は首都直下地震のうち、これまで対象としてきた最も被害が大きい「都心南部地震」による全壊・焼失家屋の数です。 ケースとして、「冬の早朝」:みんな寝ている時間帯、「冬の昼」:多くの人が仕事などで活動している時間帯、「冬の夕方」:多くの家庭が火を使っている時間帯です。 さて、この表を見て、どのような感想を持たれますか? まず気が付くのは、有効数字6桁まで求めてあり、そんなに精度よく被害が想定できるの...

 この5月25日に東京都が公表した都の被害想定結果を再掲します。 被害想定には多くの前提条件と限界があるということを前回書きました。 私自身山口県の地震被害想定の委員長として、その時点での最新の研究成果、データを活用して想定精度を高めることに最善を尽くしました。 しかしながら、地震の発生が想定した断層のどこから始まって(震源の位置)、断層の破壊がどのようにどこまで伝わるのか、また断層のずれの量がど...

 これまで3回にわたって、中央防災会議、首都直下地震対策検討ワーキンググループが公表した地震被害想定結果について説明してきました。 実は、この5月25日に東京都が都の被害想定を公表しています。 前者が東京都とその周辺を含む首都圏を対象としているのに対して、後者は東京都だけが対象です。 都は今回の公表にあたって、『東日本大震災を踏まえ、平成24(2012)年に「首都直下地震等による東京の被害想定」を...

 表は首都南部直下地震被害想定結果です。 上半分の建物全壊、死者、要救助者、帰宅困難者、避難者は先週も示しましたが、改めてライフラインの被害と共に示します。 100年前の関東大震災の死者約10万5千人に比べれば確かに死者は少ないかもしれません。 しかしながら東日本大震災の死者が約2万2千人。 それに匹敵する人が犠牲になる可能性がある、と言う衝撃的な数字です。 さらにこれらの数字を考えてみます。 ま...

 関東周辺は図-1に示すように、東から太平洋プレートが年間約8~10㎝のスピードで日本海溝、伊豆・小笠原海溝から北米プレート、フィリピン海プレートの下に潜り込んでいます。 また南からはフィリピン海プレートが年間約4~6㎝のスピードで相模トラフ、南海トラフから北米プレート、ユーラシアプレート(大陸プレート)の下に潜り込んでいます。 それに対して北米プレート、ユーラシアプレートががっしりと受け止めてい...

 これから数回にわたって、首都直下地震の被害想定について書きたいと思います。 その理由は首都直下地震が近づいているからです。 首都圏のことで、山口県に住んでいる私たちには関係のないこと、と思ってはいけません。 読者の皆さんの中には首都圏に家族の方が、親戚の方が、あるいは友人、知人がたくさんおられるとことと思います。 それだけではありません。 もし今首都直下地震が起こったら、へたをするとその直接被害...

 今やすっかりおなじみになった「線状降水帯」、その発生予報がこの6月1日から始まりました。 そのこと、およびその発生メカニズムについては「その50」および「その51」で書きました。 現在はその予報の当たる確率は25%程度ということですが、その精度を上げる研究が防災科学技術研究所をはじめ大学等の協力で進められています。 線状降水帯の予測精度向上には、線状降水帯を構成する積乱雲の誕生、成長、移動などを...

 台風14号が過ぎ去った先月20日早朝、宇部市の常盤公園の遊歩道を歩くと、強風で折れた木の枝や葉が路上に敷き詰められていました。 思わず清少納言の枕草子「野分(のわき)のまたの日こそ」を思い浮かべました。「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。~略~大きなる木どもも倒れ、枝など吹きおられたるが、萩・女郎花(おみなえし)などの上によころばい伏せる、いと思わずなり。」 倒れた大きな木や萩・女...

 台風14号は、18日19時頃に中心気圧935hPa、非常に強い勢力で鹿児島市付近に上陸し、その後19日午前中山口県を直撃する形で進みました。 県内各市町で「警戒レベル3、高齢者等避難」、「警戒レベル4、避難指示」の警報が出されました。 この日私は早朝からパソコンに向かって、台風の状況を見ていました。 私がこのような時にいつも見るのは、「山口県土木防災情報システム」です。 図はそのトップページで、...

 大型で強い台風11号、線状降水帯発生の可能性もあるとのことで、報道機関、行政は厳重な注意を繰り返し呼びかけました。 JR西日本も早々と6日の始発から博多~広島間の新幹線の運転取りやめ、私はその影響をもろに受けました。 結果的には風は強かったものの雨はあまり降らなかったとのことでしたが(と言うのは、ちょうどこの時仙台へ出張して山口県にいなかったものですから)、皆さんのお宅はいかがでしたでしょうか?...

 観測史上最も早く梅雨が明けたかと思うと、再び梅雨のような天気が続き、「線状降水帯」も次々に現れて、今も豪雨が全国各地を襲い、被害が続出しています。 「線状降水帯」という言葉、最近ではすっかりポピュラーになりましたが、その“予測”がこの6月1日から気象庁より出されることになりました。 すごいことだと思います。 親しくして頂いていたNHK解説委員のIさんからだいぶ前に聞いた話を思い出しました。 深夜...

 いよいよ今週は、HCP最後の「D 訓練と点検」です。 Aで目的と体制を、Bで敵を明らかにし、Cで計画を立てました。 Dはその計画がうまくいくかどうかを確認するための訓練計画の実施と見直しです。 白状しますと、わが家ではまだこのDは始めていません。 これを機会に始めようと思います。 表をご覧ください。「D-1-1家庭での災害時対応訓練の実施計画」 もうすぐやってきますが、9月1日の防災の日(関東大...

 今週は「C 計画策定」の続き、「C-4 重要な連絡先」「C-5 備蓄品」「C-6 災害対応」について。 以下、表を参考にしてください。 「C-4-1 災害発生直後に連絡すべき相手先一覧」は、家族全員がそれぞれリストアップし、表を作成、共有します。 我が家は私の勤務関係、親戚。 子どもたちの家庭では、勤務関係の他に学校、幼稚園があります。 「C-5 備蓄品」に関しては、市のハザードマップ等に例があ...

 我が家の家庭継続計画(Home Continuity Plan: HCP)の策定を続けます。 これまで「A.検討体制の確立」、「B.被害想定」、「C.計画策定」のうち「C-2費用のかからない対策」まで進みましたので、今週は「C-3避難場所、避難所」から。 以下、表を参考にして下さい。 避難場所と避難所の違いをご存じない方が結構おられるようです。 「避難場所」はまずは身の安全を確保するために避難す...

 我が家の家庭継続計画(Home Continuity Plan: HCP)の策定を続けます。 これまで「A.検討体制の確立」、「B.被害想定」を終えました。 今週は「C.計画策定」のうち「C-1家族の安否確認方法」、「C-2費用のかからない対策」について。 以下、表を参考にして下さい。 「C-1家族の安否確認方法」から。 家族の携帯電話番号、LINEを全員が共有しています。 災害時には通話は制限...

 今週は「B-1-3建物の耐震性に関する状況把握」から。 私の家は建ててから28年経ちます。 軽量鉄骨の2階建てで、基礎そのものの耐震性を考え「べた基礎」に、そして基礎と柱の固定は特に注意しました。 地震や津波の被害で、基礎は残っていてもその上がすっかり壊れているということがよくあるからです。 子どもたちも最近家を建てましたが、その際これらのことはアドバイスしました。 家屋やビルで「新耐震設計基準...

 今週からは我が家が防府市のどこかにあると仮定して改めてHCPを考えていきたいと思います。 それで、どこに住んでいることにしようかとあれこれ考えた末、まずは牟礼地区に住んでいることにしました。 その理由は、近い将来必ず起こる南海トラフの巨大地震で、牟礼地区は防府市内で「震度5強」の強い揺れを想定されている一部であること、また、津波の浸水も想定されているからです。 では、表の形にまとめていきます。 ...

 来週からは我が家が防府市のどこかにあると仮定して改めてHCPを策定しましょう、と書きましたが、もう一回、引き続き宇部在住のままHCPを紹介します。 過去2週で「A.検討体制の確立」、「B.被害想定」を終えました。 今週は「C.計画策定」のうち「C-1家族の安否確認方法」、「C-2費用のかからない対策」、「C-3避難所、避難場所」について。 以下、表を参考にして下さい。「C-1家族の安否確認方法」...

 我が家のHCPの策定を続けます。「B-1-3建物の耐震性に関する状況把握」から。 私の家は建ててから28年経ちます。軽量鉄骨の2階建てで、基礎は耐震性を考え「べた基礎」に、そして基礎と柱の固定は特に注意しました。地震や津波の被害で、基礎は残っていてもその上がすっかり壊れているということがよくあるからです。 建物は切土の上に。盛土は良く揺れます。屋根は軽い材料に。トップヘビー(Top heavy)...

 さて、前回、家庭の防災計画、家庭継続計画(Home Continuity Plan: HCP) の重要性について書きました。 HCPは大きく①HCP策定の体制確立、②被害想定、③計画の策定、④訓練と点検の4ステップからなります。 今週から具体的に我が家を例にHCPの策定方法を説明したいと思います。 ただ、プライバシーのこともありますので、これから書くことは全て我が家のことを正直に書いていません。...

 ここ数回、南海トラフの巨大地震が目の前に迫っている、と書いてきました。 私は事実を述べているだけなのですが、取り方によっては脅しているようにも受け止められるでしょう。 南海トラフの巨大地震が来るぞ、来るぞ、と脅しているだけで、どう準備して対応するかということを書かないと、無責任と思われても仕方ありません。 そこでこれから数回にわたって、南海トラフの巨大地震に限らず風水害も含めて、どのように災害に...

 先週お約束した「南海トラフの地震活動の長期評価」の“非常に重要なこと”を書きたいと思います。 実は、南海トラフで巨大な地震が起こると、場所によって地盤が沈下したり隆起したりします。 高知市は沈下する場所で、昭和21年の南海地震の時には市街地全体が約1~1.5m沈下しました。 地震による強い揺れで当時の木造家屋はみな倒壊、その後津波にさらわれて何もなくなり、地盤が沈下したため市街地は一面海と化しま...

 この3月25日に政府・地震研究推進本部から「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価」(第二版)が発表され、それに関連して日向灘や奄美、沖縄諸島周辺の地震が起こる可能性について“その34,35”で、そしてそれに関連して先週、先々週は「安芸灘~伊予灘」の地震について書きました。 実は「南海トラフの地震活動の長期評価」も2013年5月に発表されています。 これには非常に重要なことが述べてあるの...

 先週、安芸灘~伊予灘でM7クラスの地震がいつ起こってもおかしくないということを書きました。 図-1はこの地震が起こった時の想定震度分布です。 市の大半が震度5弱、山地で震度4となっています。 地震による揺れは地盤条件や地形で異なりますので、1階級上の震度、すなわち、震度5強もあることも考えておく必要があります。 では、震度4、5弱、5強とはどのような揺れでしょうか。 図-2は気象庁震度階の説明図...

 前回、山口県にとって、「安芸灘~伊予灘」のM7クラスの地震と、「南海トラフ」のM8クラスの地震はいつ起こってもおかしくないので備えておく必要がある、と書きました。 今回は「安芸灘~伊予灘」のM7クラスの地震についてもう少し詳しく説明します。 山口県、広島県、愛媛県、大分県で囲まれた瀬戸内海の「安芸灘~伊予灘」の海域で、記録が残っている最も古い地震は1649年、現在の伊予市と大洲市の沖合で起こった...

 今回も前回に引き続いて、政府・地震研究推進本部:日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動長期評価(第二版)のうち、図の「安芸灘~伊予灘~豊後水道」、「九州中央部」、「南西諸島北西沖」の評価結果を紹介します。 まず防府市に最も影響のある「安芸灘~伊予灘~豊後水道」から。 この海域では1600年以降の422年間にM6.7以上の被害地震が7回発生。 422÷7=60.3で、発生頻度を60.3年に1回として...

 この3月25日、政府・地震研究推進本部から「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価」(第二版)が公表されたことは「その32」で少し触れました。 今週と来週はその内容について紹介したいと思います。 この調査評価は、日本及びその周辺の海域をいくつかのブロックに分けて、そのブロックごとにそこで起こった過去の地震を調査し、今後どの程度の大きさ(マグニチュードM)の地震がどれくらいの確率で起こるか...

 明和の大津波の遡上高が二十八丈二尺(現在の高さにすると85.4m)という記録が残っているので、実際にどのような地形でそのような遡上が起こったのか金折先生と石垣島を車でめぐりました。 津波が石垣島を襲ったのは島の南東方向からで、島の南東部は海岸から比較的なだらかに標高が高くなっている地形で、良く津波が局所的に遡上するような渓谷のような地形はありません。 従ってある所だけ極端に津波が遡上することは考...

 先月25日、政府・地震研究推進本部から「日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動の長期評価」(第二版)が発表されました。 この長期評価は、「日向灘」、「南西諸島周辺」など西日本、奄美諸島、沖縄、台湾へ続く6つの領域の地下で将来起こる可能性のある地震の規模(マグニチュード)と、その発生する確率を示したものです。 この領域の地下ではフィリピン海プレートがユーラシアプレート(大陸プレート)の下に潜り込んで...

 3月16日の地震で私が驚いたのは、新幹線(東北新幹線「やまびこ223号」)が脱線したことです。 それも17両中16両が脱線、しかも高架橋にも被害が生じていたことです。 今回の地震よりはるかにエネルギーの大きい(約250倍)東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の時には新幹線は脱線しませんでしたし、高架橋も被害はありませんでした。 東北新幹線には図に示すように、主な地震対策が3つあります。 一つ目は...

 3月16日の深夜、福島県沖を震源とする地震が起こり、宮城県と福島県の4市1町(登米市、蔵王町、相馬市、南相馬市、国見町)で震度6強が観測されました。 震源の深さは57キロ、マグニチュード(以下、M)は7.4、犠牲者は4名、負傷者は200名に上るとされています。 この地震は図-1に示すように、日本列島の下に沈み込んでいる太平洋プレートの内部で起こったと考えられ、東北地方太平洋沖地震によって周辺の地...

 2011年3月11日に起こった地震は「東北地方太平洋沖地震」。 これは確かに11年前に起こった過去の出来事。 しかしながらその地震による災害、「東日本大震災」は過去のものではありません。 今も続いています。 この3月7~9日、仙台へ行くことがあり、9日はおよそ半日、レンタカーを借りて仙台空港周辺の岩沼市、名取市の“その後”の様子を見て回りました。 ここは地震から3か月たった2011年6月、初めて...

 南海トラフで大きな地震が発生し、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」(以下「巨大地震警戒」)が、あるいは「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」(以下「巨大地震注意」)出された場合、引き続きM=8クラスの地震が起こる可能性があるので、その時私たちはどうすれば良いのか、ということを先週書きました。 この2月22日、大きな被害が予測されている高知県が「南海トラフ地震臨時情報について」という情...

 南海トラフで起こる地震には様々なパターンがあり、典型的なものとしては、想定震源域の半分くらいでまず地震が起こり、しばらくして残り半分で地震が起こるパターン(半割れ)、あるいは一部でまず地震が起こり、その後また残りのどこかで地震が起こるパターン(一部割れ)、といったものが考えられています。相手が自然ですからそのほかのパターンも考えられます。 このような場合には、M=8クラスの地震が起こったとしても...

 今週も先週に引き続き「南海トラフ地震臨時情報」について書きたいと思います。 この「南海トラフ地震臨時情報」は、M=6.8以上の地震が南海トラフ巨大地震の震源域で起こったり、大きな揺れや津波は生じないものの、プレートの境界がゆっくりずれる「ゆっくりすべり」などが観測されると、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表し、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が招集され検討が行われます。...

 今週は、先週最後に触れました「南海トラフ地震臨時情報」について書きたいと思います。 この「南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで大規模な地震が起こる可能性が平常時と比べて高まったと考えられる場合に気象庁から出されます。 ここで、「大規模な地震が起こる可能性が平常時と比べて高まったと考えられる場合」とは、1月22日の地震のように比較的大きな地震が起こったときや、南海トラフの巨大地震を想定して...

 去る1月22日(土)深夜の1時8分頃地震がありました。 震源は日向灘で、マグニチュードMは6.6、震源に近い大分県、宮崎県の県境付近の大分市、佐伯市、竹田市、延岡市、高千穂町で震度5強でした。 防府市は震度4でした。 この地震によってけがをした人は13人、家屋の一部損壊が1戸と報告されています。 亡くなった方がゼロだったということは不幸中の幸いでした。 実は、日向灘ではこれまでも地震が繰り返し起...

 今回のトンガの火山の大噴火で気になることがあります。 それは火山の噴火が気温の低下をもたらすのいではないか、と言うことです。 1991年6月、フィリピン・ルソン島のピナツボ火山が大噴火を起こしました。 その規模と激しさは20世紀最大級と言われています。 その噴火によって大量の微粒子が成層圏に放出され、硫酸エアロゾル層を形成し、何か月間も残留しました。 この硫酸エアルゾルは太陽光を吸収する作用を持...

 トンガ大国の大噴火で起こった津波が特殊な原因で起こったようだ、と先週書きました。 火山の大噴火によって衝撃波が起こり、空気が振動して、その振動(空振)が海面を押して波を起こした、というものです。 図はそのメカニズムを説明したものです。 直後に東北大学の津波の専門家である今村文彦先生が、「火山の爆発による空振と呼ばれる空気の圧力変化が海面変動を引き起こし、日本に伝わる過程で増幅されたと考えられる。...

 これまで2回にわたって、海洋研究開発機構が開発と設置をし、防災科学技術研究所が運用を行っている「DONET1」と「DONET2」という地震と津波の海底観測システムの紹介をしてきました。 15日を中心にトンガ王国で大規模な火山噴火が起こり世界を驚かしましたが、この噴火によって我が国にも津波が押し寄せてきました。 津波の高さそのものは1m前後でしたが、多くの船が転覆したり、養殖いかだに大きな被害を与...

 南海トラフで起こる巨大地震を一刻でも早くキャッチして、人々の避難を促すための地震と津波の観測ネットワーク、「DONET」の内容をもう少し詳しく紹介しましょう。 「DONET」には、紀伊半島沖東部に展開されている「DONET1」と、紀伊水道沖に展開されている「DONET2」があり、開発と設置は海洋研究開発機構(JAMSTEC)が行なったことは前回書きました。 「DONET1」は2011年7月から2...

 明けましておめでとうございます。 昨年は拙稿「防災・減災のススメ」をお読みいただき有難うございました。 今年も少しでも皆さんの防災力向上に直接的、あるいは間接的にお役に立つようなことを書いていきたいと思います。 どうぞよろしくお願いいたします。 さて、昨年末は宇宙航空研究開発機構、JAXAの地球観測衛星データの防災への活用について書いてきました。 すなわち宇宙からの観測でしたが、これから全く視点...

 先週はJAXAが今年度中に打ち上げ予定の「だいち3号」が南海トラフ巨大地震の観測を念頭に置いて、一度の軌跡(パス)で非常に広い範囲の観測、すなわち南海トラフの巨大地震で被害が大きい太平洋沿岸の広い範囲を撮影できるように設計されていること、あわせて、空間解像度が80㎝ということも書きました。 実は、JAXAは「だいち4号」という現在運用中の「だいち2号」の後継機も来年度打ち上げの予定です。 「だい...

 先週はJAXAが今年度中に打ち上げ予定の「だいち3号」が南海トラフ巨大地震の観測を念頭に置いて、一度の軌跡(パス)で非常に広い範囲の観測、すなわち南海トラフの巨大地震で被害が大きい太平洋沿岸の広い範囲を撮影できるように設計されていること、あわせて、空間解像度が80㎝ということも書きました。 空間解像度が80㎝ということはどのくらいかということを図に示します。 図の左が「だいち」の画像で、空間解像...

 先週は人工衛星で地球を観測するセンサーには二種類あることを説明しました。 一つは「光学センサー」といって、太陽光の反射波のうち可視光、すなわちR(赤)G(緑)B(青)と言われている光の三原色、および赤外線を観測するセンサー、もう一つは「マイクロ波センサー」といって、人工衛星自身がマイクロ波を地上に向けて照射し、その反射波を観測するものです。 それぞれ長所と短所があり、実際にはこれらを組み合わせて...

 日曜日の夜のTV番組「日本沈没」に触れ、日本及びその近海には、国の省庁、研究機関、大学が非常に多くの地震をはじめとする各種の観測ネットワークを展開していて、多くの研究者が観測に関わっており、一人の研究者だけに情報が集中するということはあり得ない、と書きました。これから少し具体的に観測に関する最前線のお話を。 まず宇宙から。 地球を観測する衛星が多くの国から打ち上げられています。 人工衛星に搭載さ...

 日曜日の夜、「日本沈没」というドラマをやっていて、ブチブチ言いながら見ています。 地球物理学的にも、現在の地球観測システムとその運用に関しても、あまりにもあり得ないことがベースになっているからです。 SF(Science Fiction)ではなく、人間の確執ドラマですね。 第一波だけで関東沈没は終了。 早速復旧復興に取りかかり始めた矢先、だいぶ変わった地震学者の先生から、今度は名古屋方面が沈没、...

 前回は、首都直下地震のうちで最も被害が大きいと想定されているのが「都心南部直下地震」で、この地震が「冬・深夜」、「夏・昼」、「冬・夕」の3つの時間帯に起こった時の死亡の原因ごとにまとめられた表を示しました。 そして死者数合計の数字に壊れた建物などに閉じ込められて自力脱出が困難な人の数を加えると、「冬・深夜」で約90,000人、「冬・夕」で約81,000人、最も少ない「夏・昼」でも約60,000人...

 首都直下地震の候補として19の地震を対象に被害想定を行い、それら19の地震の中で最も被害が大きいのが、「都心南部直下地震」であること、そしてその地震が起こった時には、地盤の柔らかい東京湾の沿岸部、そして荒川水系や多摩川水系周辺では内陸の方まで高い震度が分布していること、等を先週書きました。 この地震が「冬・深夜」(多くの人が寝ている時間帯)、「夏・昼」(多くの人が町中にいる)、「冬・夕」(火を多...

 先週は、今月7日の夜10時過ぎに関東地方で起こった地震がイヤーな、本当にイヤーな地震だということを書きました。 その原因は、すぐに私の頭に首都直下地震のことが浮かんできたからです。 想定されている首都直下地震のマグニチュード(M)は7クラス。 先日の地震のMが5.9でしたので、地震のエネルギーは30~100倍にもなります。 従ってこの首都直下地震が起これば、首都圏はもちろん大変なことになりますが...

 2021年のノーベル物理学賞を真鍋淑郎氏が受賞され、大いに喜ぶとともに、驚きも感じました。 正直、「え、こんな研究がノーベル物理学賞の対象に!?」という驚きです。 ノーベル物理学賞と言えば、物質を構成している素粒子のそのまた元となる超超極微の世界の究明とか、宇宙の誕生に迫る何百光年という想像もできないスケールの中のこれもまた超超極微の物質の運動など、巨大な装置やお金をかけたビッグサイエンスでない...

 先月9月17日の夜、台風14号が山口県へ最接近しました。 事前には最接近と満潮時が重なる可能性があるので、高潮に注意、と報道されていましてので、私は「山口県土木防災情報システム」の「潮位情報」を見ていました。 図の左側は17日19時45分時点での「潮位情報」の宇部港における「潮位・気圧」の画面です。 図にはそれまでの潮位の変化、気圧の変化、これからも含めて天文潮位の変化、併せて高潮警報基準、高潮...

 12年前の平成21年(2009年)7月中国・九州北部豪雨で防府市は土砂災害によって大変な被害を受けました。 防府市内の山地はもともと雨に弱い風化花崗岩(真砂土)に覆われていて、記録的な豪雨によって大規模な土石流が多くの谷筋で発生しました。 そこで、今週は「山口県土木防災情報システム」の「土砂災害」の見方を紹介したいと思います。 同システムトップページの「土砂災害」のボタンの「土砂災害ポータル」を...

 台風が近づいたり大雨が降りそうなとき、まず私が見るのが「山口県土木防災情報システム」です。 図は「山口県土木防災情報システム」のホームページです(9月24日現在のトップページ)。 左側に『気象情報』があり、上から、「レーダー情報」のボタンがあります。 ここの「詳細情報へ」をクリックすると気象庁の気象レーダーの観測結果が5分ごとに更新されて表示されます。 どこにどれくらいの雨が降っているかを見るこ...

1.情報の重要性 地震は突然やってきますが(ですからいつ起こっても大丈夫なように、日ごろからの備えが重要になります)、台風や豪雨などの気象災害はあらかじめテレビやラジオ、新聞等で報道されますので、いつ頃どのような災害が起こりそうかは事前に分かります。 しかしこれらの報道は範囲が広くて、自分の住んでいるところの情報は詳しく報道されることはあまりありません。 このようなときには、自分で積極的に情報を取...

1.防府市の震度分布 安芸灘・伊予灘の地震がいつ起こってもおかしくないのか、その理由を先週書きました。 この前のシリーズ「防災マップ深読み」の「その15、16」でも紹介しましたが、図-1は安芸灘・伊予灘の地震による防府市の震度分布です。 市の大半が震度5弱、山地で震度4となっています。 ここで注意が必要なのは、この図は500mx500mメッシュ(範囲)の平均の震度です。 地震による揺れは地盤条件や...

1.地震が起こった場所 この前のシリーズ、「防災マップ深読み」の「その15、16」で、いつ起こってもおかしくない地震として、「南海トラフの巨大地震」と「安芸灘・伊予灘の地震」を挙げ、防府市における震度について書きました。 図-1は安芸灘・伊予灘で発生したマグニチュード(M)6以上の、記録が残っている地震の震央です。 大きな〇はM7クラス、小さい〇はM6クラスです。 M7クラスの地震が5つ、M6クラ...

1.西日本各地の震度分布 南海トラフの巨大地震が起こった時の防府市の震度や津波については、この前のシリーズ「防災マップ深読み(その13~21)」に書いていますが、今度は少し違う観点から説明していきたいと思います。 図-1は国によって示された、南海トラフ巨大地震が起こった時の西日本の震度分布です。 これより分かるように、伊豆半島の西部から宮崎県に及ぶ非常に広い範囲の太平洋沿岸で震度6強、場所によって...

1.西日本の地震活動 図-1は江戸時代以降の西日本の地震活動を示したものです。 図の左側に地震がたくさん起こった時期が、右側にあまり地震が起こらなかった時期が示してあります。 地震のたくさん起こる時期を「活動期」と呼び、あまり起こらない時期を「静穏期」と呼びます。 このように西日本は地震の「活動期」と「静穏期」が交互に繰り返し起こっています。 「活動期」の最後には、例えば1707年の宝永地震のよう...

1.新しいシリーズをはじめるにあたって 1995年の阪神・淡路大震災から3か月後の4月、山口県は防災会議(会長:知事)の下に地震対策専門部会を設置し、県の地震に対する防災計画の抜本的見直しを始めました。 私はその部会長に就任し、その第一歩として、地震被害想定を急ぎ行いました。 以来3回地震被害想定を見直し、その結果は県の地域防災計画「地震対策編」に反映されています。 地震被害想定が一段落したタイミ...

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