第二百五十四段:南海トラフの地震活動の長期評価②
今週も引き続き先月26日地震調査研究推進本部から公表された、「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)について」について。

表-1は先週も示した長期評価です。
前回までの評価では1通りの評価(前回は80%程度)でしたが、今回は2とおり併記してあるのが大きな特徴です。
①の「すべり量依存BPTモデル:Ⅲランク(60%~90%程度以上)隆起量データ+地震発生履歴」について説明します。
分かりやすくするために多少厳密性は犠牲にしていますが、その辺はご了承ください。
「隆起量データ+地震発生履歴」とありますが、昨年1月1日の能登半島地震で能登半島が隆起したように、南海トラフの巨大地震だけ、世界で唯一、過去の地震による隆起量(高知県室戸岬の室津港)の記録が残っています。
これまではその隆起量を1707年の宝永地震では約1.8m、1854年の安政地震では約1.2m、1946年の昭和南海地震では約1.1mというように確定値として扱ってきました。

図—1を見てください。
斜めに3本の直線があります。
まん中の線(やや細い線)はこれまで隆起量が確定値として扱ってきたときの室津港の隆起量データと地震発生間隔の関係で、この図で行くと2033年頃が次の地震が起こるころ、ということで、次の地震の30年以内の発生確率が80%程度とされてきました。
ところが今回は、地盤の隆起量にも“ばらつき”があるという研究成果が出て、そそのばらつき量を反映して、これまでの直線の上と下に2本の線を考えました。
上の線は30年以内の発生確率が90%程度と高くなり、次の巨大地震は2033年よりも前に起こる可能性があること、そして下の線は30年以内の発生確率が60%程度と低くなり、次の巨大地震は2033年よりも後に起こる可能性がある、という結果になりました。
これが今回の評価のざっくりとした意味です。
学術的な解釈はともかく、生活者である私たちは最悪の場合を想定して備えをしなければいけません。
30年以内の発生確率が80%程度から90%程度以上になったと解釈して、一層備えをしっかりとしていきましょう。
ちなみに②は精度が低いので考えなくていいでしょう。

