第二百五十三段:南海トラフの地震活動の長期評価①

 先月26日、国(文部科学省)の地震調査研究推進本部から、「南海トラフの地震活動の長期評価(第二版一部改訂)について」が公表されました。

 

 一般の市民にとってはあまり縁のないことと思われたかもしれませんが、防災を預かっている行政にとっては、ある意味衝撃をもって受け止められたのではないでしょうか。
 その評価は表-1に示す通りです。

 

第二百五十三段:南海トラフの地震活動の長期評価①

 

 この意味についてできるだけ分かりやすく説明したいと思います。
 というのは、私たち一般の市民にとっても非常に重要な意味があるからです。

 

 表-1の意味を説明する前に、これまで国が発表してきた長期評価を表-2に示し、こちらから説明します。

 

第二百五十三段:南海トラフの地震活動の長期評価①

 

 ごくごく簡単に言いますと、1995年の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の直前予知ができなかったことを踏まえ、国は大規模な地震に対する注意喚起を確率で表す方針に転換しました。
 そして出されたのが2001年の第一版です。

 

 この時は南海トラフの巨大地震はおおよそ紀伊半島の東側の東南海地震、西側の南海地震に分けて評価が行われていて、別々に30年以内の発生確率が公表されていました。
 2013年にも出されましたが、この時は確率が上がっています。

 

 その間の2011年に東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起こり、この時は想定をはるかに超えた広い範囲の断層が動いたので、南海トラフの地震の断層も見直しをされました。
 そして東西に分けずに両方が、そして日向灘も入れた非常に広い範囲の断層が同時に動くということを前提に見直しが行われました。
 それが2013年の60~70%です。
 時間が経つにつれその確率はだんだん上がり、昨年8月8日の日向灘での地震を受けて、今年1月に「80%程度」に引き上げられました。

 

 天気予報で明日の降水確率が80%と予報が出れば、まず間違いなく明日は雨と思い、皆さんは傘を持っていかれるでしょう。
 それと同じで30年以内に起こる確率が80%程度、と言われるとまず間違いなく30年以内に南海トラフの巨大地震が起こる、と皆さんは思われるに違いありません。
 思われない方は相当ヘソ曲がりです。

 

 少なくとも行政はそのつもりで相当気合を入れて備えをしてきています。
 ところが1年もたたないうちに表-1の確率の公表です。

 

 「BPTモデル20~50%」、一体これは何のこと?
 そもそも「80%程度」と言っていたのはどこへ行ったの?
 これが60~90%に変化?といったところでしょう。

 

 

前の記事へ                              次の記事へ

 

 


トップへ戻る