災害とコミュニティFM放送

 昨年度から宇部市は災害時に重要な情報を自動的に提供する「防災ラジオ」の運用を始めました。
 この防災ラジオは、市が避難指示などの防災情報を出すときに、自動的に緊急放送に切り替わり、最大音量で防災情報が流れる専用のラジオです。
 電源を切った状態でも、緊急放送の電波を受信すると自動的に電源が入り、防災情報が流れるという仕組みです。

 

 この防災ラジオからは、次の情報が配信されます。

・避難に関する情報(避難指示など)

・その他市が必要と認める情報

 これらの情報は「エフエムきらら」を経由して提供されますので、「エフエムきらら」の放送が受信できるところに防災ラジオがある必要があります。
 いずれにしてもこのことはコミュニティFM放送が防災に役に立つということの表れで、実際「エフエムきらら」は毎週土曜日の13時から30分間「ようこそBOUSAIカフェ」を宇部市の提供で放送していますし、第2,4,5木曜日の午後7時から55分間、「DOする防災」という番組を放送しています。
 さらには折に触れ防災に関する情報提供を行っており、防災に力を入れています。

 

 さて、わが国の最初のコミュニティFM放送局は、北海道函館市を放送区域とする「FMいるか」で、開局は1992年12月24日でした。
 2番目が大阪府守口市の「FMもりぐち(愛称:FM-HANAKO)」で、開局は1993年7月20日、1995年1月17日の阪神・淡路大震災のほぼ1年半前のことでした。
 阪神・淡路大震災では臨時にFM放送局が開設され、きめ細かな災害に関する情報が提供され、災害時にはコミュニティFM放送が有効である、との認識が広まりました。

 

 「FMいるか」の開局以来30年が経過しようとしています。
 この間開局されたコミュニティFM放送局は300局を超えています。

 

災害とコミュニティFM放送

 

 図—1は何年に何局コミュニティFM放送局が開局したかを示したものです(JCBAのデータから作成)。

 

 図には、わが国で起こった主な自然災害すなわち、阪神・淡路大震災(1995)、福岡県西部地震、台風11号、14号(2005)、東日本大震災(2011)、広島市土砂災害(2014、この年は御嶽山も噴火))、熊本地震(2016)、7月豪雨(2020)も記入しています。
 この図より大きな災害が起こった後に開局数が増えていることが分かります。

 

 私事で恐縮ですが、私には二人の息子と一人の娘がいます。
 三人とも県外の大学へ進学したのですが、入学時に手巻き充電型のラジオを渡しました。
 当時8,000円くらいしたと思います。

 

 実は次男一家が仙台に赴任中に東日本大震災に遭いました。
 その時の家の中の様子が写真—1です。

 

災害とコミュニティFM放送

 

 ぐちゃぐちゃになっていますが、次男が手巻きラジオのことを思い出し、押し入れから取り出してきて、以来このラジオで災害情報を入手したとのことです。
 生活情報だけでなく、ラジオから流れてくる音楽や笑い声も気持ちを和らげるのに非常に役立ったと言っていました。

 

 手巻き充電式ラジオ、今は3,000円台で機能も随分アップしたものが売られています。
 FM, AMラジオのほか、ライト、大きな音、携帯の充電機能などがついています。
 私は出張するときに、特に東京へ出張するときには忘れずにこのラジオを持って行きます。

 

 確かにコミュニティFM放送は災害時に直接役に立ちます。
 しかしながらコミュニティFM放送の大きな役割は、地域に住む人の顔が見える(声が聞こえる、が正しい?)、商店や会社、施設や各機関、その他さまざまなものがどこにあるか、そこでどんな人がどんな生活しているのか、このようなことを知ることが人と人の結び付きを広め、そして強くしていることではないでしょうか。
 このことこそが、いざ、と言うときに役に立つのではないかと思います。

 

 


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