10 高潮災害①
昨年は、1999年(平成11年)台風18号(以下、台風9918号と呼びます)の高潮災害から20周年の節目の年でした。「NPO法人防災ネットワークうべ」はこの高潮災害をきっかけに、翌2000年11月に設立、活動を始めました。今年が設立20周年ということになります。昨年は宇部市と共催で高潮災害20周年の記念シンポジウムを宇部市多世代交流センター(旧シルバーふれあいセンター)で開催しました。
私にとっては、台風9918号による高潮災害はつい昨日のような気がするのですが、20年経ったということは、20歳以下の人は経験していない、30歳以下の人もほとんど記憶にないでしょうから、県内の若者の多くがこの台風9918号による高潮災害のことを知らない、ということになります。
さて、図-1は宇部市の高潮ハザードマップのうち、市の中心部を拡大して示したものです。図の左手に市役所、中央上部にJR宇部線の琴芝駅、右下に東新川駅があります。図-2は高潮による浸水深の表示色です。これを見ると、市役所付近はうす水色で浸水深1~2m、琴芝駅、東新川駅を含むJR宇部線周辺はピンク色で4~5mとなっています。ちなみに宇部日報社もこのピンク色のゾーンに入っています。この図にはありませんが、もう少し西の宇部新川駅の西方には浸水5mを超えるところもあります。
読者の皆さんはこの浸水の深さをどのように思われますか?
現実に起こり得ると思われるでしょうか?
まさかそんなに、と思われる方もあるでしょう。また、もし起こるとすればどのような条件の時にこのような大浸水が起こるのだろうか、と考える方もいらっしゃるでしょう。
このハザードマップの基になる高潮のシミュレーションを他の例と同様、県が行ったわけですが、その時の検討委員会の委員長を私が務めました。様々な角度から検討しました。その前提条件がハザードマップの冊子に説明してありますが、次回、もう少し詳しくその内容について説明したいと思います。
図-1 宇部市高潮ハザードマップの中心市街地の浸水深
図-2 浸水深の色表示