18 津波ハザードマップ①
今週と来週は津波のハザードマップについて書きます。
宇部市の津波ハザードマップは、平成25年に山口県が発表した、将来発生する可能性が大きい「南海トラフ巨大地震」・「周防灘断層群主部の地震」による津波浸水想定を基に作成されました。
宇部市ハザードマップは全体図と3枚の詳細図(東部、中央部、西部)、さらに詳細な22の地域の拡大図もあります。是非宇部市のホームページをご覧ください(「宇部市津波ハザードマップ」で検索)。その中から西部の詳細図を示します。
実は、この津波ハザードマップは、満潮時に、さらには地震の強い揺れによって護岸構造物や堤防が壊れて機能しない、などの悪条件下に津波が襲ってくることを想定して、浸水域と浸水深が示されています。ですからこれ以上の浸水域、浸水深は考えにくいのですが、相手は自然ですから、その可能性は全くゼロではありません。例えば満潮時といっても満潮時の平均潮位を使っていますので、大潮の時にはこれ以上になる可能性があります。
また、このハザードマップでは、津波の河川遡上は厚東川しか考慮されていません。津波による浸水範囲や深さはコンピュータを使ってできるだけ詳細に計算するのですが、コンピュータの能力の限界があって、厚東川よりも川幅の狭い河川は遡上の影響を計算することができないのです。
当然中小の河川や狭い水路も津波の遡上は起こります。ですから水路のある所はハザードマップでは“浸水しない”ところでも浸水する可能性があります。そのことに注意を払ってもらうために中小の河川は色が濃い青色で示してあります。その周辺は津波の遡上による浸水の可能性があることを念頭に置いておきましょう。
さらには、浸水域や浸水深は、局所的な地面の凸凹や建築物の影響のほか、地震による地盤の隆起や沈下、構造物の倒壊などの影響は考えられていませんので、浸水域外でも浸水が発生したり、浸水深がさらに大きくなったりすることもあります。
来週は、津波の到達時間、そして避難などについて説明しましょう。
図 宇部市津波ハザードマップ(西部)