その10 土砂災害編①

1.土砂災害の3つのパターン

 

今週から土砂災害のハザードマップについて説明します。

 

土砂災害は複雑な災害ですが、一応3つのパターンに分けられます。

 

図は土砂災害のハザードマップに必ず載っている、その3つのパターンです。

 

その10 土砂災害編①

図1 急傾斜地の崩壊 (がけ崩れ)

 

一つ目は急傾斜地の崩壊 (がけ崩れ)(図1)、

 

その10 土砂災害編①

図2 土石流

 

二つ目が土石流(図2)、

 

その10 土砂災害編①

図3 地すべり

 

三つ目が地すべり(図3)です。

 

図には警戒区域(イエローゾーン)、特別警戒区域(レッドゾーン)があり、イエローゾーンの定義が書いてあります。

 

ただ、レッドゾーンの定義は明確には書いてありません。

 

イエローゾーンの中で、特に危険なところがレッドゾーン、という理解をしておけばいいと思います。

 

 

2.イエローゾーンとレッドゾーンの決め方

 

さて、このイエローゾーンがどう決められたか、ですが、おおよそ以下の通りです。

 

まず、2500分の1の地形図を用いて、被害の恐れのある地形(図に書いてある定義を参考に)を求め、土地利用を参考に(人が住んでいなくても道路や線路があると災害後の生活に甚大な影響がありますね)、場合によっては現地を訪れて判断します。これには大変な作業が伴います。

 

県がこの土砂災害のハザードマップを作成することを検討する委員会に委員として参加しながら、このように言うのはいかがと思いながらあえて言いますと、「イエローゾーン、レッドゾーンの範囲を過信してはいけません」、ということです。

 

なぜか。

 

土砂災害には、水が大きな“悪さ”をします。

 

その悪さをする水は雨によってもたらされます(もちろん地震によっても土砂災害は起こりますが)。

 

その雨が何ミリ降ったら土砂災害が起こるか、というシミュレーションは行われていません。

 

先に書いたように、主に地形から決められているのです。これは洪水のハザードマップがシミュレーションに基づいて作られているのとは大きく異なります。

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