その21 津波編③
1.二つの地震による津波の時刻歴
先週、南海トラフ巨大地震、周防灘断層群主部の地震による津波の時刻歴を示しましたが、再度図‐1、図‐2に示します。
これらの図から以下のことが言えます。
・南海トラフ巨大地震による津波の最高水位は、地震発生後およそ5時間後になる。その水位はおよそ2.6m。しかしその前のおよそ2時間後にも約2.5mの第1波が襲ってくる。
・その後、何度も2.5m程度の波が繰り返し襲ってくる。
・周防灘断層群主部の地震による津波の第1波は、地震発生後約25分で、その高さは約2.7m。
・いずれにしても避難する時間は十分あるので、慌てずに地震を感じたらすぐに避難をすることが必要。
なおこれらは次に述べる前提条件の下に行なわれたコンピュータ・シミュレーションの結果ですから、実際地震が起こった時には、この通りになることはないと思いますが、最悪これくらいのことは起こり得る、と思って下さい。
2.津波シミュレーションの前提条件
津波シミュレーションの前提条件を図-3に示します。
この図のように、水位は満潮時に津波が襲ってきたときを想定しています。
三田尻港では満潮位は平均より約1.8m高くなりますから、津波そのものの波高は1.8mを引く必要があります。
ということは、干潮時に津波が襲ってきたときには平均海面になるくらいの水位、ということになります。
すなわち、津波が襲ってくる時間が、満潮時か干潮時かということが非常に重要になります。
それから、6月29日の津波編①で示した津波による浸水マップは、震度4以上の揺れがあると、堤防が壊れて、コンクリート製の堤防は高さがゼロに、土の堤防は図‐3にあるように高さが1/4になり、越水するとゼロになる、という前提条件のもとに求めてあります。
ですからハザードマップは最悪の場合を想定して作成してあります。