その13 地震編①
1.「ゆれやすさマップ」の対象となっている断層
今週から地震に関する防災マップについて説明をします。
地震に関連しては、震度と津波がありますが、まずは震度に関する「ゆれやすさマップ」から。
「ゆれやすさマップ」は防府市の直下、または近くで地震が起こったときの地表面の震度を示したものです。
具体的には図に示すように、「佐波川断層」と「防府沖海底断層」を対象に、これらの断層が動いた時の地表面の震度の分布を図示したものです。
図 防府市の揺れやすさマップの対象断層
(防府市ホームページより)
これらの断層の規模や震度分布、すなわち「揺れやすさマップ」は来週以降に説明することにして、まずは震度について説明します。
2.「震度」とは
一般に使われている(呼ばれている)“震度”は、正式には「気象庁震度階級」と言います。
現在この震度は、地震計(震度計)で計測され、すぐに気象庁から発表されます。
しかしながら、26年前の阪神・淡路大震災までは、地震があると気象庁の職員が、壁に貼ってある(?)表に記載してある体感や被害状況から震度を決定していました。
例えば、最大の震度7は「家屋の倒壊が30%以上におよび、山崩れ、地割れ、断層などを生じる」とありました。
ですが、これだと、実際に被災地を見て回って調査しないと被害の程度はわかりませんね。
事実、阪神・淡路大震災のあとに有名になった「震度7のベルト地帯」が定まったのは、地震からだいぶ時間が経ってからのことです。
もう一つ、従来の震度決定法には大きな欠点がありました。
家やビルや橋などの構造物の耐震化が進むと、昔のようには壊れません。
そうすると、極端な話、非常に強い揺れであっても震度6や7にはならないことになります。
このような不都合があり、地震の揺れを地震計で計測して、震度を決めようという動きが阪神・淡路大震災の前からあり、一気にその動きが加速、1996年4月から現在の計測震度が使われるようになりました。
この時あわせて、震度5と6は、「弱」と「強」に分けられました。