その17 地震編⑤

1.緊急地震速報とは

 

 地震が起こり、強い揺れが考えらえるときには気象庁から緊急地震速報が出されます。
 2016年4月に震度7を2回記録した熊本地震、あの時は山口県にも緊急地震速報がだされました。
 2回とも夜でしたが、突然携帯電話が鳴ってびっくりしました。
 皆さんも覚えていらっしゃる方が多いと思います。

 

 この緊急地震速報ですが、気象庁は、最大震度が5弱以上と予想された場合に、震度4以上が予想される地域を対象に緊急地震速報を発表します。
 そして、一般に、気象庁がこの緊急地震速報を発表すると、対象となった地域に対してテレビやラジオ、携帯電話、防災行政無線などで緊急地震速報が流れます。

 

2.南海トラフ巨大地震と緊急地震速報

 

 南海トラフ巨大地震が起こると間違いなくこの緊急地震速報が出されます。

 

 地震の被害をもたらすのは、P波の後にやってくる大きな揺れのS波です。
 このS波の伝播速度は大体3.5~4㎞/秒です。

 

 最悪の場合を考えて、図のように南海トラフ巨大地震が防府市に最も近いところ、180㎞離れたところで起こったとしましょう。
 S波の速度を4㎞/秒とすると、地震が起こってS波が防府市に到達するのにかかる時間は180÷4=45秒、ということになります。

 

 一方、地震にもよりますが、地震を感知して緊急地震速報が発表されるまでは 5~10秒かかります。
 南海トラフ巨大地震が起こったらすぐに地震計が感知して(太平洋沿岸の海底には海底地震計も設置してあります)、緊急地震速報発表のための計算、作業が始まります。
 ということは、S波が到達する45秒から緊急地震速報の発表に要する時間5~10秒を引くと、防府では緊急地震速報が発表されて大きな揺れが始まるまで40~35秒の時間があることになります。
 安全側、すなわち少なく見積もっても30秒くらいは時間があります。
 この間に身の安全を守る行動をとることが非常に大切になります。

 

その17 地震編⑤

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