その15 地震編③

1.いつ起こってもおかしくない二つの地震

 

 今週は山口県が行った近い将来必ず起こる2つの地震の震度想定について説明します。
 1つ目が「南海トラフの巨大地震」、2つ目が「安芸灘・伊予灘の地震」です。

 

 

2.南海トラフ巨大地震

 

 伊豆半島から四国沖の南海トラフでおこる地震は、大きく分けて“東海沖”(東海地震)、“紀伊半島沖”(東南海地震)、“四国沖”(南海地震)と震源域が3つに分かれていて、地震は過去別々に、あるいは一緒に起こったりしています。
 「東南海地震」は1944年に、「南海地震」は1946年に起こっていますが、「東海地震」は1854年以降起こっていません。
 従って、ここ東海沖には相当地震エネルギーがたまっていて、ここで、すなわち東海地震が30年以内に起こる確率は約90%とされています。
 しかもこの東海地震が引き金になって東南海、南海地震も一緒に起こることが危惧されています。
 その場合のマグニチュード(M)は9クラスになります。

 

 この地震が起こったときの防府市の震度分布を図-1に示します。
 市街地の大半が震度5弱、東部の沿岸部で震度5強、山地で震度4となっています。

 

その15 地震編③

出典:山口県地震・津波被害想定調査報告書

 

 

3.安芸灘・伊予灘の地震

 

 一方の山口県、広島県、愛媛県に囲まれたこの海域でも、過去M6、 M7の地震が繰り返し起こっています。
 そのうちM7の地震は1905年の「芸予地震」以来起こっておらず、やはりこの海域にも地震エネルギーが相当たまっています。
 その規模はM7クラスです。
 この地震が起こった時の震度分布を図-2に示します。

 

その15 地震編③

出典:山口県地震・津波被害想定調査報告書

 

 

 2つの地震で震度の色遣いが違うのでややこしいのですが、こちらは市の大半が震度5弱、山地で震度4となっています。
 地震による揺れは地盤条件や地形で異なりますので、両図よりも1階級上の震度、すなわち、6弱や5強もあることも考えておく必要があります。

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