その19 津波編①
1.防府市の防災マップ津波編
防府市の防災マップ津波編は、平成25年に山口県が発表した、将来発生する可能性が大きい「南海トラフ巨大地震」と「周防灘断層群主部の地震」(防府市の沖合の活断層)による津波浸水想定を基に作成されています。
防府市の防災マップ津波編は全体図と5地域の詳細図(中関・新田・向島地域、西浦・華城地域、大道・右田地域、勝間・華浦・牟礼地域、富海・野島地域)、および啓発面(情報面)からなっています。
是非防府市のホームページをご覧ください(「防府市防災マップ」で検索)。
その中から市全域の図を示します。
図 防府市全体の防災マップ津波編
2.防災マップ津波編の前提条件
実は、この防災マップは、満潮時に、さらには地震の強い揺れによって堤防などが壊れて機能しない、などの悪条件下に津波が襲ってくることを想定して、浸水域と浸水深が示されています。
ですからこれ以上の浸水域、浸水深は考えにくいのですが、相手は自然ですから、その可能性は全くゼロではありません。
例えば満潮時といっても満潮時の平均潮位を使っていますので、大潮の時にはこれ以上になる可能性があります。
また、津波は河川を遡上しますが、このマップでは佐波川の遡上しか考慮されていません。
津波による浸水範囲や深さはコンピュータを使って計算するのですが、コンピュータの能力の限界があって、佐波川よりも川幅の狭い河川は遡上の影響を計算することができないのです。
当然中小の河川や狭い水路も津波の遡上は起こります。
ですから水路のある所はマップでは“浸水しない”ところでも浸水する可能性があります。
さらには、浸水域や浸水深は、地面の凸凹や建築物の影響のほか、地震による地盤の隆起や沈下、構造物の倒壊などの影響は考えられていませんので、マップの浸水域外でも浸水が発生したり、さらに深くなったりすることもあります。