その18 地震編⑥
1.南海トラフ巨大地震の人的被害
先週は、南海トラフ巨大地震が起こって、緊急地震速報が発表されてから大きな揺れが防府市に到達するまでに、少なく見積もっても30秒くらいは時間があり、この間に身の安全を守る行動をとることが非常に大切、と書きました。
では、どのように身の安全を守るか、ということになりますが、それには山口県が被害想定を行って公表していますので、それが参考になります。
この被害想定は単にどれくらいの被害が出るかを知ることが目的ではなく、被害の原因を明らかにして、その原因をなくすることによって被害を可能な限り少なくすることが目的なのです。
表は山口県全体の人的被害(ここでは死者の数)をまとめたものです。
表 南海トラフ巨大地震が起こった時の人的被害想定結果(山口県)
この表からわかるように、死因は
①建物の倒壊、屋内収容物(家具などのことです)移動、転倒、
②土砂災害、
③火災、
④津波、
⑤その他
となっています。
その他は屋外でのビルの窓ガラスや看板の落下、自動販売機やブロック塀の転倒などです。
すなわちこれらから身を守ればいいということになります。
2.身を守る行動
表からわかるように死因の圧倒的多数は津波です。
この津波については来週以降書きたいと思います。
次に多いのが①の建物の倒壊、屋内収容物移動、転倒となっています。
南海トラフ巨大地震は強い揺れが3~4分続くことも考えられます。
従って古くて揺れに弱い家屋は倒壊する可能性があります。
そのような家に住んでいる人は、緊急地震速報を聞いたらすぐに家の外の広い所へ避難することが必要です。
斜面のすぐ近くに家がある人も、すぐに斜面からできるだけ遠くへ離れるようにしましょう。
火災による被害者はほとんどありませんが、もし緊急地震速報が出たときに火を使っていたら急いで消して安全なところ、すなわち、落ちてきたり、倒れてくるのもののない所へ避難しましょう。
特に、夜寝ていても避難できるように、緊急地震速報が聴けるようしておきましょう。
家具の固定も大切です。