その11. 首都直下地震①
先週は、今月7日の夜10時過ぎに関東地方で起こった地震がイヤーな、本当にイヤーな地震だということを書きました。
その原因は、すぐに私の頭に首都直下地震のことが浮かんできたからです。
想定されている首都直下地震のマグニチュード(M)は7クラス。
先日の地震のMが5.9でしたので、地震のエネルギーは30~100倍にもなります。
従ってこの首都直下地震が起これば、首都圏はもちろん大変なことになりますが、日本中が、あるいは世界中が大変な混乱に陥ることが想像されます。
しかもその首都直下地震はいつ起こってもおかしくない状況です。
その首都直下地震についてこれから数回にわたって書いてみたいと思います。
首都直下地震の被害想定は、過去何度も行われています。
これからお話しする内容は平成25年(2013年)12月に、国の中央防災会議の中の「首都直下地震対策検討ワーキンググループ」が取りまとめた『首都直下地震の被害想定と対策について』(最終報告)にあるものです。
この報告書はホームページにもありますので、どなたでも見ることができます。
このワーキンググループは、1600年以降、関東地方で起こった地震を詳細に調べ、今後起こる可能性の考えられるM7クラスの地震を19こ想定し、それぞれに対して震度分布や想定される被害を算出しています。
関東地方の地震と言えば、関東大震災(1923年9月1日発生。M7.9)がすぐに思い出されますが、このM8クラスの地震はまだしばらくは起こりません。
しかしながらその前にMが1小さいM7クラスの地震が頻発することが過去の地震活動から分かっています。
それらの候補が19この地震ということになります。
そしてそれら19の地震の中で最も被害が大きいのが、「都心南部直下地震」で、その震度分布と震源となる断層の位置を示したのが付図です。
これによると地盤の柔らかい東京湾の沿岸部、そして荒川水系や多摩川水系周辺では内陸の方まで高い震度(震度6強)が分布しています。
そのうち一部では震度7の場所も数か所あります。
この地震が起こったら、どのような被害がどの程度出るかを次回から書きたいと思います。