その51. 線状降水帯予測②
大型で強い台風11号、線状降水帯発生の可能性もあるとのことで、報道機関、行政は厳重な注意を繰り返し呼びかけました。
JR西日本も早々と6日の始発から博多~広島間の新幹線の運転取りやめ、私はその影響をもろに受けました。
結果的には風は強かったものの雨はあまり降らなかったとのことでしたが(と言うのは、ちょうどこの時仙台へ出張して山口県にいなかったものですから)、皆さんのお宅はいかがでしたでしょうか?
さて、先週の繰り返しになりますが、線状降水帯は以下のように発生するとのことです。
①大気の低い層で大量の暖かく湿った空気の流入が続く。
②局所的な前線や地形などの影響でその空気が上昇し積乱雲が発生する。
③湿った大気の状態が不安定な中でさらに積乱雲が発達。
④上空の別の風の影響で積乱雲が線状に並び続け、強い雨を降らし続ける。
2014年(平成26年)8月の広島豪雨災害で線状降水帯という言葉が一挙に有名になりましたが、この時の大気の状態は図に示すようにまさにこの通りでした。
広島市付近の地表付近では豊後水道を通って南から湿った空気が流入(図の太い線)、その一方で上級1500m付近では強い南西の風が吹いていました(図の細い線)。
下層の南風は広島市の西方にある広島・山口県境付近の山地にぶつかって積乱雲を発生、これに上層の南西風がぶつかって積乱雲を強化しつつ、風下である北東の方へ押し流しました。 これにより積乱雲が連続的に発生し、線状降水帯を形成、あのような豪雨災害になったということです。(Wikipedia:平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害、より)
2009年(平成21年)7月に防府市も深夜の集中豪雨で、大変な土砂災害が発生しましたが、雨の降り方、地形など広島豪雨災害の時によく似ています。
この時も線状降水帯が発生していたのかもしれません。