その124. 南海トラフ巨大地震山口県死傷者ゼロプロジェクト⑤
南海トラフ巨大地震の場合、緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまで、数十秒の時間があることを先週、書きました。
南海トラフ巨大地震の強い揺れは3分以上続くことが予想されますから、とにかくその強くて長い揺れが来る前に、身の回りの安全を確保することが大事です。
起きているときは何とか対応できると思いますが、ぐっすり寝ているときに地震が起こると、避難が間に合わないこともあり得ます。
ですから、寝室には家具などはできるだけ置かないようにしましょう。
布団やベッドに物が倒れてきたり、落ちてきたり、飛んできたりしないように工夫をしましょう。
図は、その例を示したものです。
よく天井と家具の間につっかい棒を入れて家具を固定するという絵がありますが、私は板を買ってきて、ちょうどその隙間にはまる箱を作って(Do it yourself=DIY)はめる方が、天井も家具も傷つけずにしっかりと固定できると思います。
寝たきりの人、体の不自由な人は、どうしても身の回りに多くのものが置いてあると思います。
それらが「凶器」になるかもしれません。
その場合には、何も置かない部屋を隣に確保しておきましょう。
緊急地震速報が出されたら、家族などに布団のまま、あるいはベッドのまま、その何もない隣の部屋へ移してもらいましょう。
目や耳の不自由な人は、ラジオやテレビ、スマートフォンなどで、必ず緊急地震速報を聞いたり見たりすることができるように、聞き損なったり見損なったりしないように、ラジオやスマホをいつも持っておきましょう。
外国人は緊急地震速報がどのようなものか、今から知っておいてください。
赤ちゃんや小さい子どもは、すぐに抱きかかえて避難ができように心構えをしておきましょう。
会社は、必ず事業継続計画(BCP)を策定しましょう。
緊急地震速報が出されて、強い揺れが来るまでの間に、優先的に何をすべきか決めておきましょう。
例えば、工場であれば、電源を落としたり、スイッチを切ったりするなど、優先順位を決めて、その数十秒の間になすべきことを決めて、被害の最小化を図りましょう。
また、会社のBCPを策定するときには、社員の家庭の防災にも力を入れましょう。
いくら良いBCPを策定しても、社員や社員の家族がけがをしたり命を落としたりしたら、BCPの対応はできませんから。