その97. 雨に弱い東海道新幹線
先週は今月17日、福山へ行くために新山口駅発6時27分の『ひかりレーススター590号』に乗ったところ、新岩国駅で約1時間半足止めにあったお話を書きました。
原因は東海道新幹線の車両が新大阪駅でいっぱいで、山陽新幹線の車両が新大阪駅のホームに入れなかった、ということでした。
台風7号によって、15日は計画運休も含めて新幹線の運休が相当ありましたが、16日には復旧するはずでした。
ところが17日の朝までダイヤが乱れたわけです。
その原因は16日未明に静岡で激しい雨が降ったため、新幹線の運行が見合わされたため想定外のダイヤの乱れが生じたためです。
実は東海道新幹線は沿線59か所に雨量計が設置されており、その雨量が表の降雨量に達すると運転が規制されます。
なぜ東海道新幹線にだけこのような雨量による規制があるかと言うと、東海道新幹線は盛土の上を線路が走っているところが多いからです。
盛土は人工的に作った土を高く築き上げたものですから、どうしても雨には弱くなります(地震による揺れにも弱くなります)。
他方、山陽新幹線はじめ他の新幹線はほとんどが鉄筋コンクリートの高架橋で、雨の影響をほとんど受けません。
さらに昨今の豪雨の多発により、JR東海は2022年6月1日より、線路の一層の安全を確保するために、線路から離れた場所で発生する可能性のある土石流にも備えて、表に示した降雨量の規制の他に、新たに気象庁が発表する「土壌雨量指数」も運転の規制に加えました。
この土壌雨量指数の説明は改めてすることにし、このことによって新幹線の運転規制はさらに増えることが予測されます。