その71. 南海トラフ巨大地震に備える⑥
図は防府市全域の津波ハザードマップから、一部を切り出して私が作った図です。
防府市のホームページには地域ごとの詳しい図もあります。
是非見てください。
さて、この津波ハザードマップですが、以下のような前提条件があります。
①国が津波のシミュレーションをするために、震源位置を11通り仮定しています。
そのうち山口県にとって一番不利になる(津波の高さが最も高くなる)ような震源に対して行われたシミュレーション結果です。
②満潮時に津波が襲って来る、という前提です。
しかも潮の干満は考えず、ずっと満潮時が続いているという前提です。
実際には、第一波、第二波、第三波が来るときに、ずっと満潮ということはないのですが、シミュレーションではずっと満潮となっています。
③震度4以上の揺れが起こるところは堤防が壊れる、と言う前提です。
残念ながら防府市の海岸はどこも震度4以上の揺れが想定されています。
実際はもっと丈夫ですが。
④津波は川を上流に向かって伝わっていきます。
これを遡上と言います。
遡上は川幅の大小に関係なく、また狭い水路でも起こります。
が、コンピュータの能力の関係で、防府市の河川で遡上が考慮されているのは佐波川だけです。
佐波川以外の河川の近くに住んでいる人はこの点には十分注意する必要があります。
ですから、佐波川以外の河川や水路の遡上が入っていないという点を除いては、このハザードマップの水深は、最悪の場合を示していることになります。
震源の位置や潮の干満、さらには堤防が壊れなければ状況は大分変ってきます。
幸い津波が到達するまでには十分な時間があります。
避難体制をしっかりと地域で作っておき、訓練をしておく、そして状況を判断しながら、慌てず助け合って避難すれば、津波に対して死傷者は間違いなくゼロに出来ます。