その41. 家庭継続計画:HCPのススメ②

 さて、前回、家庭の防災計画、家庭継続計画(Home Continuity Plan: HCP) の重要性について書きました。

 

 HCPは大きく①HCP策定の体制確立、②被害想定、③計画の策定、④訓練と点検の4ステップからなります。
 今週から具体的に我が家を例にHCPの策定方法を説明したいと思います。
 ただ、プライバシーのこともありますので、これから書くことは全て我が家のことを正直に書いていません。その辺はご了承下さい。
 ただし、HCPの本質は外さないようにしています。ここで、対象にしている家庭とは、私たち夫婦と高齢の母、長男一家、次男一家、長女一家です。

 

 表はその記載例です。

 

その41. 家庭継続計画:HCPのススメ②

 

 以下にその考え方を説明します。

 

「A-1-1計画策定の意義・目的」
 目的は家族全員がこれから起こる災害に対してけがをしないこと。具体的な行動を整理し、準備しておくことによってそれが実現できます。

 

「A-1-2計画策定の体制」
 一般的にBCPもそうですが、危機管理はトップダウンでないとうまくいきません。一応専門家である私がリーダーシップを取ります。

 

「A-2-1家族への周知方法」
 一通りではなく複数の方法で周知します。

 

「B-1-1家族の住宅周辺で懸念される災害の一覧整理」
 私の家は宇部市西岐波にあります。長男一家、長女一家も近くに住んでいます。ここは地震では近い将来必ず起こる「南海トラフの巨大地震」、「安芸灘・伊予灘の地震」の影響が考えられます。想定される震度は山口県の地震被害想定から求めます*。

 

 風水害では家が少し高いところにありますので、洪水、高潮、津波の心配はありません。土砂災害の心配もありません。唯一心配なのは、海が見えるところに家が建っているので、台風の時直接海からの強風が当たることです。

 

 次男一家は東京の多摩地区に住んでいて、地震では「首都直下地震」に対しては備えをしておく必要があります。ただ23区と違って、対応は大分楽になります。風水害の心配はありません。

 

 続きは次週に。

 

 

*南海トラフ巨大地震の被害想定「平成26年3月山口県地震・津波被害想定調査報告書について」
 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/6/12599.html

 

*安芸灘・伊予灘の地震被害想定「山口県地震被害想定調査報告書について」
 https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/soshiki/6/12637.html

 

*首都直下地震の被害想定「首都直下地震等による東京の被害想定」
 https://www.bousai.metro.tokyo.lg.jp/taisaku/torikumi/1000902/1021571.html

 

 これら被害想定の結果に対する説明等は私のホームページ、https://dma-fmiura.com にもいろいろと書いていますので、こちらも参考にして頂ければと思います。

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