その108. 関東大震災①

 今年2023年は、1923年9月1日に起こった関東地震から100年になります。
 そのため、報道機関で様々な特集が行われ、次の南海トラフの巨大地震や首都直下地震に対する注意の喚起もされました。ここでは報道機関ではあまり取り上げられなかったことを紹介したいと思います。

 

その108. 関東大震災①

 

 図‐1に関東地震の震源の位置を、東北地方太平洋沖地震、想定南海トラフ地震の震源の位置と併せて示します。
 これらの3つの地震はいずれもプレート境界型の巨大地震で、東北地方太平洋沖地震は北米プレートと太平洋プレートの境界、想定南海トラフ地震はユーラシアプレートとフィリピン海プレートの境界です。
 これらに対して関東地震はやや複雑なところ、すなわち、北米プレートとフィリピン海プレートの境界である相模トラフで起こっています。
 関東大震災では東京の被害が非常に大きかったので、東京の直下で起こったと考えてしまいがちですが、実は東京よりも少し南側で起こっています。

 

その108. 関東大震災①

 

 図-2は、本震の震源と余震の震源を示したものです。
 本震の震源域は楕円で色が塗られている、神奈川県西部から三浦半島、東京湾入り口を経て、千葉県の房総半島に至っています。
 この楕円の中で色が濃く塗ってある2か所は断層が大きく滑ったところと考えられ、この領域の地上は揺れが大きかったと考えられます。

 

 実は、1923年9月1日11時58分の本震の後、たて続きにM7クラスの大きな余震が起こっています。
 実際にはもっと頻繁に余震が起こっていますが、ここではM7クラスの余震を取り上げています。最初の余震1は本震の3分後の12時01分に、余震2はその2分後の12時03分に、余震3はその45分後の12時48分に起こっています。
 余震4と余震5は翌日の9月2日に起こっています。
 これら大きな余震が被害をますます大きくしたことは容易に想像できます。
 ということで、次回は被害について述べたいと思います。

 

 

 

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