その53. 台風シーズン②
台風14号が過ぎ去った先月20日早朝、宇部市の常盤公園の遊歩道を歩くと、強風で折れた木の枝や葉が路上に敷き詰められていました。
思わず清少納言の枕草子「野分(のわき)のまたの日こそ」を思い浮かべました。
「野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。~略~大きなる木どもも倒れ、枝など吹きおられたるが、萩・女郎花(おみなえし)などの上によころばい伏せる、いと思わずなり。」
倒れた大きな木や萩・女郎花は見ることができませんでしたが、まさに“いみじうあはれにをかしけれ”なる風情でした。
“大きな木が倒れる”、と言えば、1991年(平成3年)9月の台風19号(以下台風9119号)が思い出されます。
台風9119号は青森県でも多くのリンゴ園に被害をもたらし「リンゴ台風」とも言われました。
その風は強烈で、その日私は鉄筋コンクリート5階建ての大学の宿舎の3階にいましたが、強風で、宿舎が揺れました。
確か宇部空港では最大瞬間風速が秒速50mを超えたと思います。
台風9119号は日本各地に猛烈な風による被害をもたらしました。
全国で死者62名、負傷者1,261名とあります(Wikipedia:平成3年台風第19号)。
山口県でも確か7名の方が亡くなりました。
一人は風で倒れた家の下敷きで、あとの人は家の外で亡くなっています。
飛んできたものにあたる、雨戸を閉めようと思って強風にあおられて庭の池に落ちて溺死、水路の様子を見に行って風にあおられて転落、などでした。
台風による死傷の原因は大別して4つです。
1つ目が、上記のように強風による被災。
台風が近づいたら決して屋外に出てはいけません。
2つ目が台風に伴う大雨による洪水。
平成3年の台風19号では千曲川が氾濫、大きな被害が出ました(写真)。
3つ目がやはり台風に伴う大雨による土砂災害。
4つ目が高潮災害です。
いずれにしても台風はずいぶん前から進路や気象状況を知ることができます。
情報を積極的に取りに行き、早め、早めの備えをしましょう。