その63. 首都直下地震⑨
都心南部直下地震が起こった時の被害ですが、東京都内どこも一様ではなく、被害の大きい所とそうでない所があります。
そのことを知っているので、東京出張の際には、私はなるべく山手線の外に行かないようにしています。
仕事もだいたい山の手線の内側で済みますので。
基本は「すぐ宇部に帰る」ですが、宿泊しなければならないときには、多少値段は高くなりますが、ホテルも山手線の内側、あるいは羽田空港の近くにとります。
図は都心南部直下地震が起こった時の全壊棟数の分布図です。
被害想定をするのに基本となるのが地盤条件です。
地盤が柔らかいか、固いか、です。
当然ながら柔らかいとよく揺れますし、逆に硬いとあまり揺れません。
この地盤条件は膨大な数のボーリングデータを使って決められます。
東京都は50mx50mのメッシュごとに地盤条件を決めています。
そして50mx50mのメッシュごとに震度を求めて、どれくらいの被害がそのメッシュごとに生じるかをコンピュータで計算しています。
この図より、荒川と多摩川沿いの区が全壊棟数が多いことが分かります。
特に荒川沿いの区が被害が大きいことが分かります。
山手線の内側は比較的被害が少ないこともお分かりいただけると思います。
また山手線の内側は広い公園がたくさんあります。
これが私が山手線の内側にホテルを取る理由です。
羽田空港の近くにとる理由は、いざというときは被害のない羽田空港に歩いて行けるからです。
空港には物資もたくさんありますし、滑走路はしっかりと液状化対策がしてありますから比較的早く飛行機も飛べると思うからです。
実際東日本大震災の時には、仙台空港の滑走路は液状化対策がしてあって被害がなかったので、がれきを取り除いたらすぐに飛行機やヘリコプターが離着陸できました。