その130. 山口県地震・津波防災対策検討委員会①
先週22日(月曜日)午後、県庁で第1回山口県地震・津波防災対策検討委員会が開かれました。
テレビのニュースでも放映されたので、ご存じの方も多いと思います。
この検討委員会は、国が南海トラフ巨大地震の見直しをしていることにあわせて、また能登半島地震での教訓を山口県の地震防災対策に活かすことを目的に、防災・減災対策の検討、地震・津波被害想定の見直しを行うために設置されました。
山口県はこれまで4回地震の被害想定を行っています。
1995年1月に阪神・淡路大震災が起こりましたが、それまで山口県の地震防災計画は必ずしも十分ではなかったので、取り急ぎ地震被害想定が速報という形で1995年度内にまとめられました。これが第1回目の地震被害想定です。
阪神・淡路大震災の被害調査がかなり進んだ段階で、その知見を取り入れて1997年度に2回目の被害想定がまとめられました。
折しも1997年6月25日に山口県北部地震が阿東町を震源に起こり、被害想定の重要性が改めて認識されました。
その地震の最大震度は5強で、山口県内では家屋5棟が全半壊、243棟が一部損壊という大きな被害が起こりました。
その後、県が山口大学に活断層調査を数年にわたって委託し、その結果が出たタイミングで第3回目の被害想定が行われました。
この活断層の調査では山口大学理学部の活断層の先生たち、学生さんたちが山口県を隅から隅まで歩いて調査されました。
ここまでしっかりとした調査をしたのは全国でも山口県だけではないかと思います。
図はその成果を反映して山口県が行った地震被害想定の対象断層です。
当時は南海トラフ巨大地震とは言わず、東海地震、東南海地震、南海地震と別々に考えており、山口県は東南海地震と南海地震が同時に起こった場合を想定していました。
2008年公表されました。
地震被害想定はこれで終わりと思っていたのですが、東日本大震災が起こり、東海地震、東南海地震、南海地震は南海トラフの巨大地震一つとして想定することが国の方針として決まりました。
そのために第4回目の被害想定を行うことになりました。