その35. 西日本の地震の長期予測②

 今回も前回に引き続いて、政府・地震研究推進本部:日向灘及び南西諸島海溝周辺の地震活動長期評価(第二版)のうち、図の「安芸灘~伊予灘~豊後水道」、「九州中央部」、「南西諸島北西沖」の評価結果を紹介します。

 

その35. 西日本の地震の長期予測②

 

 まず防府市に最も影響のある「安芸灘~伊予灘~豊後水道」から。
 この海域では1600年以降の422年間にM6.7以上の被害地震が7回発生。
 422÷7=60.3で、発生頻度を60.3年に1回として、ばらつきを考慮に入れてM6.7~M7.4程度の地震の発生確率を算出、その結果は今後10年以内の発生確率は20%程度、20年以内の発生確率は30%程度、50年以内の発生確率は60%程度とされています。

 

 次に「九州中央部」。
 ここは地震のよく起こる熊本周辺と日向灘に挟まれた地域です。
 1600年以降の422年間にM7.6の地震が1回発生、ただ回数が少ないために発生頻度を推定できず、M7.0~7.5程度発生確率は不明とされています。
 なお、図にはそのことは示していません。

 

 最後に奄美、沖縄列島の北側に位置する「南西諸島北西沖」、この海域では1919年以降の103年間にM7.0以上の地震が3回発生しています。
 発生頻度を103÷3=34.3年に1回とし、M7.0~7.5程度の地震の発生確率を算出、その結果、今後10年以内の発生確率は30%程度、20年以内の発生確率は40%程度、50年以内の発生確率は80%程度と評価されています。

 

 さて、最初に戻って「安芸灘~伊予灘~豊後水道」ですが、そのうちさらに「安芸灘~伊予灘」に海域を限って過去の地震に着目しますと、過去何度もM7クラスの地震が発生しています。
 しかしながら1905年の明治の芸予地震(M7.0 から7.5の間と考えられています)以降117年経っていますが、M6クラスの地震しか起こっておらず、この海域にはM7クラスの地震がいつ起こってもおかしくないと私は考えています。
 すなわち国の評価よりも発生確率は高いと思っています。
 このことは次回改めて書きたいと思います。

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