その39. 南海トラフ巨大地震の長期評価②
先週お約束した「南海トラフの地震活動の長期評価」の“非常に重要なこと”を書きたいと思います。
実は、南海トラフで巨大な地震が起こると、場所によって地盤が沈下したり隆起したりします。
高知市は沈下する場所で、昭和21年の南海地震の時には市街地全体が約1~1.5m沈下しました。
地震による強い揺れで当時の木造家屋はみな倒壊、その後津波にさらわれて何もなくなり、地盤が沈下したため市街地は一面海と化しました。
今度起こる南海トラフの巨大地震では1.5~2m沈下することが予想されています。
現在のほとんどのビルは揺れや津波で倒壊して流されることはありませんので、建ったまま一階部分が海面下、ということになります。
一方、室戸岬は隆起します。
過去の地震のたびに室戸市の室津港がどれだけ隆起したかを年代に対してグラフにしたものが図です。
1707年の宝永地震の時は約1.8m、幕末の安政地震の時は約1.2m、昭和の地震の時は約1.1m隆起しています。
この傾向はその前からも見られ、隆起の量と年代の関係はちょうど階段のようになります。
そして階段のステップの下、図中の丸印のところはほぼ一直線状になります。
その延長線上で、昭和の地震で隆起した線が交わるところ(図中の星印)が次の南海トラフの巨大地震が起こってもおかしくない時、ということになります。
その時は、昭和の地震から88.2年後、評価時点が2013年で、その約20年後、すなわち2030年を少しすぎたころとなります。
2013年からもう既に9年経っていますので、あと10年もすればそのXデーがやって来るということになります。
他にも様々な傍証があり、次の南海トラフの巨大地震はいよいよ近づいている、といえます。
たとえ約10年に起こらなくても、先になればなるほど地震のエネルギーは大きくなるので、決してホットすることはできないのです。
きちんと備えをすれば、幸い山口県は死傷者をゼロにできます(モノは壊れますが)。
しっかりと備えましょう。
そのためには、この防災・減災のススメを読みましょうね。