その141. だいち4号(ALOS-4)打ち上げ成功(つづき)

 先週、「だいち2号」の観測幅が50㎞に対して、「だいち4号」の観測幅は200㎞ということを書きました。

 

その141. だいち4号(ALOS-4)打ち上げ成功(つづき)

 

 図は九州を例にその違いを示したものです。

 

 観測幅が200㎞になると九州はほぼ1回の周回軌道(パス)で観測できることが分かります。
 もし山口県に大きな災害が起こった時に県全域を観測するには、「だいち2号」では4~5回のパスで観測する必要がありましたが、「だいち4号」では1回のパスでほぼ県全域をカバーできます。

 

 「だいち4号」(マイクロ波センサーなので「だいち2号」もそうですが)は昼でも夜でも、天気が良くても悪くても地上を観測できるので、防災・減災上非常に有効だということを書きました。
 具体的には、洪水、土砂災害、構造物の被害などがどこで起こっているかを調べることができます。
 火山の噴火に伴う地盤の隆起、地震の断層、広域にわたる地盤の沈下なども観測できます。
 そのほか、森林の減少、北極海や氷河の氷の減少など、環境モニタリングにも力を発揮しています。

 

 5月24日、私は幸運にも種子島宇宙センターを見学、打ち上げ直前の本物の「だいち4号」の前で、プロジェクトマネージャーの有川善久さんから直接説明をして頂くことができました。
 今は宇宙でアンテナや太陽光パネルを大きく広げて、実運用に向けて様々な試験が行われています。

 

 本当に嬉しかったので打ち上げ成功の直後に有川さんにお祝いのメールを送りました。
 すると超多忙のはずの有川さんからお礼のメールが帰ってきました。

 

『お陰様でロケットの打上げも成功し、衛星本体も、先日プレスリリースさせて頂いたように、クリティカル運用を終了することが出来ました。
現状、衛星は元気に動いてくれています。
早くSAR観測を定常的に実施し、皆さまのお役に立てるよう、着実に運用を進めてまいりますので、ご声援をよろしくお願い致します。』

 

 一緒に応援しましょう。

 

 

 

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