第六十八段:南海トラフ巨大地震が近い ~南海トラフ臨時情報とは~
今週は、多分皆さんあまり聞きなれない「南海トラフ地震臨時情報」について書きたいと思います。
2019年5月、気象庁は南海トラフ沿いで大規模な地震が起こる可能性が平常時と比べて高まったと考えられる場合には、この「南海トラフ地震臨時情報」を発表することにしました。
ここで、「大規模な地震が起こる可能性が平常時と比べて高まったと考えられる場合」とは、1月22日の地震のように比較的大きな地震が起こったときや、南海トラフの巨大地震を想定して設置してある海底地震計や津波計などに異状が観測された時などです。
基本的にはマグニチュード(M)7以上の地震が起こると、その対象になりますが、実際にはMにも誤差がありますので、M=6.8から検討に入るようです。
図は、「南海トラフ地震臨時情報」の流れです。まずM=6.8以上の地震が南海トラフ巨大地震の震源域(先週の図をご覧ください)で起こったり、大きな揺れや津波は生じないがプレートの境界がゆっくりずれる「ゆっくりすべり」などが観測されると、気象庁が「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」を発表し、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」が招集され検討が行われます。
その検討結果、M=8以上の地震であれば「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」、M=7以上の地震あるいは「ゆっくりすべり」だと「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」、それ以外だと「南海トラフ地震臨時情報(調査終了)」という情報が発表されます。
これまでこの「防災徒然日記」でも、他の多くの報道やパンフレットの類でも、南海トラフ巨大地震はM=9クラスの巨大地震という扱いがされていますが、これは最悪の場合を想定したもので、もっとMが小さいことも、分かれて地震が起こることもあり得ます。そのような様々なことが評価検討会で検討されます。
1月22日の地震のMは6.6だったので、検討会は招集されませんでした。
次回、備えも含めて発表される情報をどう活用するかについて書きたいと思います。