第二百十一段:地震直前予知への挑戦⑨
12月になりました。
1月1日元日の能登半島地震からもうすぐ1年になります。
復旧・復興のスピードは阪神・淡路大震災、東日本大震災の時よりもだいぶ遅いように感じるのは、私だけでしょうか?
能登半島に通じる道路が非常に限られている、しかもその道路が被災している、したがって、人や物資を被災地に送るのが困難というのがその大きな原因の一つのように思います。
東日本大震災の時には盛岡、一関と言った内陸から三陸に向かって、何本の輸送ルートが確保されました。
国土交通省の「櫛の歯大作戦」とも呼ばれました。
今回はその様なことが地形、地勢的に困難なようです。
今、西日本の地下には相当地震エネルギーがたまっています。
そのため、阪神・淡路大震災、平成芸予地震、熊本地震、能登半島地震、日向灘の地震など、過去地震が起こったところ、すなわち活断層があるところで地震が起こっています。
この傾向はしばらく続き、やがて本丸の南海トラフ巨大地震が起こります。
それも何十年も先のことではなさそうなデータがいろいろとあります。
現在日本政府は「地震の直前予知はできない」というのがオフィシャルな立場です。
それは、従来型の、地殻の変化を観測することを中心とする地震学からの結論です。
しかしながらこのシリーズで紹介してきたように、従来の地震学とは全く異なる、電磁波や電離層の異常を観測するという、伝統的な地震学から見れば「地震の素人」の研究分野では、地震の直前予知ができる可能性が見えてきています。
表-1にこのシリーズで紹介してきた先生方の言葉をまとめました。
表-2に南海トラフ巨大地震による人的被害を示します。
もし例えば梅野先生の研究成果が実装され、1時間前に予知できれば、表-2に示した何十万人という人の命が救われます。
国を挙げて取り組むべきと私は思うのですが、なかなかそうはいきません。
今、梅野先生と力を合わせて、理解者、協力者を増やし、一日も早く実装できるように動きを始めています。
もし今南海トラフ巨大地震が起こったら、また首都直下地震が起こったら、日本の将来はありません。
ここでは書けない(わからない)ようなことが起こることもあり得るのです。