第九十六段:台風11号

 のんびりと50年前の札幌での思い出を書いている間に、大変な台風がやってきました。
 台風11号です。
 大型で強い台風、マスコミ、行政は厳重な注意を呼びかけました。

 

 JR西日本も早々と6日の始発から博多~広島間の新幹線の運転取りやめを決定。
 これには困りました。
 と言うのは、6日早朝の新幹線で広島へ、そして広島空港から仙台へ飛ぶ予定でした。
 広島の会社の人と一緒に、仙台にある建設系の会社を訪問、東日本大震災の時の状況、その時の緊急対応、その後の対策などのヒヤリングをする予定でした。
 BCP策定の参考にするためです。

 

 5日午後、広島の人から連絡。
 6日は新幹線が止まるので、5日中に広島に入って欲しい、と。
 実は5日は京大の防災研究所へ日帰りをし、夜は宇部で9時まで仕事があって、そのあと一緒に食事をする予定でした。

 

 食事はキャンセル、強い雨と風の中を新山口へ。
 シンデレラシニアの私は何とかその日のうちに広島へ。

 

 翌朝、広島発の高速バスも運転取り止めが続出する中、空港行きのリムジンバスは通常通り運転。
 強い雨と風の中を空港へ。
 飛行機は全席70の小型ジェット機。
 キャンセルのお客さんも多いらしく、空席が目立ちます。
 飛行機はアゲインストの風の中を離陸、翼を交互に上下に揺らしながら(いわゆるローリング)高度を上げていきます。
 いつの間にかうとうとしていて、目が覚めてふと窓の外を見るときれいに能登半島が(写真)。

 

第九十六段:台風11号

 

 その後進路を新潟上空から東に旋回するまで、日本海側は実にきれいな晴天です。
 台風が近づいて来ていることが全くうそのようです。

 

 山間部に入ると雲が出てきて、ところどころ雲の合間から少し大きな町が見えましたが、多分米沢か山形市。
 いずれにしてもその後は一面の雲海です。
 台風による反時計回りの湿った風が太平洋から日本海側へ流れ、途中の山岳地で雨を降らせ、その後は晴れるというフェーン現象が起こっているのではないかと想像しながら仙台空港へ。 

 

 無事6日、7日の仕事を済ませて夕方帰る頃に仙台も雨が降り出し、風も出てきました。
 飛行機はアゲインストの風に向かってあっという間に離陸。
 備前、岡山上空あたりから雲が切れて、その後は夕闇が迫る瀬戸内海がきれいに見えました。
 台風11号による被害はありましたが、当初予想されていたほどではなかったようでした。

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