第百七十三段:南海トラフ巨大地震山口県死傷者ゼロプロジェクト⑤
南海トラフ巨大地震の場合、緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまで、数十秒の時間があることを先週書きました。
南海トラフ巨大地震の強い揺れは3分以上続くことが予想されますから、とにかくその強くて長い揺れが来る前に身の安全を確保することが大事です。
起きているときは何とか対応できると思いますが、ぐっすり寝ているときに地震が起こると避難が間に合わないこともあり得ます。
ですから寝室には家具などできるだけ置かないようにしましょう。
布団やベッドに物が倒れてきたり、落ちて来たり、飛んできたりしないように工夫をしましょう。
図はその例を示したものです。
よく天井と家具の間につっかい棒を入れて家具を固定するという絵がありますが、私は板を買ってきて、ちょうどその隙間にはまる箱を作って(Do it yourself: DIS)はめる方が天井も家具も傷つけずにしっかりと固定できると思います。
寝たきりの方、身体の不自由な方はどうしても身の回りに多くのものが置いてあると思います。
それらが凶器になるかもしれません。
その場合には、何も置かない部屋を隣に確保しておきましょう。
緊急地震速報が出されたら家族の方などに、布団のまま、あるいはベッドのまま、その何もない隣の部屋へ移してもらいましょう。
目や耳の不自由な方は、ラジオやテレビ(スマホ)などで、必ず緊急地震速報を聞いたり見たりすることができるように、聴きそこなったり見損なったりしないように、ラジオやスマホをいつも持っておきましょう。
外国の人は緊急地震速報がどのようなものか、今から知っておいて下さい。
赤ちゃんや小さい子供さんはすぐに抱きかかえて避難ができるように心構えをしておきましょう。
会社は必ず事業継続計画(BCP)を策定しましょう。
緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまでの間に、優先的に何をすべきか決めておきましょう。
例えば工場であれば、電源を落としたり、スイッチを切るなど、優先順位を決めて、その数十秒の間になすべきことを決めて、被害の最小化を図りましょう。
また、会社のBCPを策定するときには、社員の家庭の防災にも力を入れましょう。
いくら良いBCPを策定しても、社員や社員の家族がケガをしたり命を落としたりしたら、BCPの対応はできませんから。