第百十七段:南海トラフ巨大地震に備える⑥

 宇部市の津波ハザードマップのうち、広い範囲が浸水する可能性のある厚南平野、藤山地域を例にとって図に示します。

 

第百十七段:南海トラフ巨大地震に備える⑥

 

 詳しく見たい人、他の地域を見たい人は是非宇部市のホームページへアクセスして直接見て下さい。
 「宇部市津波ハザードマップ」と入力すれば津波ハザードマップの画面に行きます。
 図を拡大して見ることもできます。

 

 さて、この津波ハザードマップですが、以下の様な前提条件があります。

 

①国が津波のシミュレーションをするために、震源位置を11通り仮定しています。
 そのうち山口県にとって一番不利になる(津波の高さが最も高くなる)ような震源に対して行われたシミュレーション結果です。

 

満潮時に津波が襲って来る、という前提です。
 しかも潮の干満は考えず、ずっと満潮時が続いているという前提です。
 実際には、第一波、第二波、第三波が来るときに、ずっと満潮ということはないのですが、シミュレーションではそうなっています。

 

③震度4以上の揺れが起こるところは堤防が壊れる、と言う前提です。
 残念ながら宇部市の海岸はどこも震度4以上の揺れが想定されています。
 実際はもっと丈夫ですが。

 

④津波は川を上流に向かって伝わっていきます。
 これを遡上と言います。
 遡上は川幅の大小に関係なく、また狭い水路でも起こります。
 が、コンピュータの能力の関係で、宇部市の河川で遡上が考慮されているのは厚東川だけです。
 隣を流れている中川、真締川、1999年台風18号の時に高潮の大きな被害をもたらした沢波川も、その他全ての川の遡上は考慮されていません。
 このことを分かりやすくするために宇部市のハザードマップの河川は濃い青色がぬってあります。
 そのことも説明してあります。

 

 ですから、このハザードマップの水深は、最悪の場合を示していることになります。
 震源の位置や潮の干満、さらには堤防が壊れなければ状況は大分変ってきます。
 幸い津波が到達するまでには十分な時間があります。
 避難体制をしっかりと地域で作っておき、訓練をしておく、そして状況を判断しながら、慌てず助け合って避難すれば、津波に対して死傷者は間違いなくゼロに出来ます。

 

 


トップへ戻る