第百七十二段:南海トラフ巨大地震山口県死傷者ゼロプロジェクト④
南海トラフ巨大地震が起こっても、幸い山口県は緊急地震速報が出されて強い揺れが来るまでに数十秒の時間的余裕があります。
その間に身の安全を確保すればいいということになりますが、どれくらい時間があるのでしょうか?
図-1はその例を説明したものです。
ここでは震源が山口県に非常に近いところであった場合を考えています。
地震は断層全てが同時に破壊するのではなく、ある一点から始まります。
その一点を震源といいます。
図-1の場合、その震源から宇部までは約220㎞あります。
この220㎞を先週説明したように大きな揺れで被害を起こすS波が伝わってくる時間は、S波の速度を秒速4㎞とすると220÷4=55秒となります。
地震が発生して緊急地震速報が出されるまでにかかる時間は5~15秒です。
そこで55秒から5~15秒を引くと40~50秒となります。
図-2はもう少し一般的に震源からの距離と地震発生後の時間の関係を表したものです。
緊急地震速報はおおよその震源場所も震度4以上の地域と共に発表されますので、その震源位置と宇部の距離を測ると図-2の横軸の距離が分かり、稼げる時間も分かるというものです。
過去の例ですと多くの場合、南海トラフの巨大地震の震源は紀伊半島沖です。
そこと宇部の距離は直線距離で大体400㎞です。
400÷100=100秒。
100秒-(5~15秒)=85~95秒となり、1分以上の時間があることになります。
この間に、落ちてくるモノ、飛んでくるモノ、倒れてくるモノの無いところに移動しましょう。
また火を使っていたら慌てずに消火しましょう。
また海辺にいたらすぐに高いところへ避難しましょう。