第二十段:阪神・淡路大震災から26年 ~宇部市の揺れやすさマップ~

 今週は「レベル1地震動」、「レベル2地震動」と『揺れやすさマップ』の関係について書きたいと思います。

 

 以前、この連載の前に「ハザードマップを読む」を連載していましたが、「その14、15、16」で宇部市の揺れやすさマップについて説明しました。
 図-1は「その15」でも紹介した揺れやすさマップの作り方です。

 

第二十段:阪神・淡路大震災から26年 ~宇部市の揺れやすさマップ~

図-1 宇部市のハザードマップの作り方

 

 この揺れやすさマップは、宇部市周辺の活断層①~⑧が動いた時、さらには宇部市役所直下に仮想の活断層⑨があって、それが動いたときの9つの地震による最大の震度を図示したものです。
 ほとんど⑨番の仮想の活断層で宇部市の最大震度は決まっていることがお分かりかと思います。

 

 それぞれの活断層(①~⑧)が動いた時の震度が「レベル2地震動」による震度といえるでしょう。
 仮想ではありますが、⑨番の市役所直下の活断層による揺れも「レベル2地震動」に相当すると考えられます。

 

 これに対して、山口県が被害想定の対象としている、近い将来現実に起こると考えられる「南海トラフ巨大地震」、「安芸灘・伊予灘の地震」は「レベル1」地震動に相当します。
 それぞれ図-2、図-3に示します。

 

第二十段:阪神・淡路大震災から26年 ~宇部市の揺れやすさマップ~

図-2 南海トラフ巨大地震による震度分布

 

第二十段:阪神・淡路大震災から26年 ~宇部市の揺れやすさマップ~

図-3 安芸灘~伊予灘の地震による震度分布

 

 構造物の耐震設計はともかく、私たちが地震に対して備えるには、現実に起こり得る「レベル1地震動」に相当する震度に対して、しっかりと備えておく必要があります。
 地震、津波、豪雨に対して、「レベル1」、「レベル2」の2段階で外力(災害を起こす作用の強さ、とでも言いましょうか)で考える、という点では共通点がありますが、私たちが備えるべき「レベル」は地震、津波、豪雨で微妙に違います。
 次回はその辺を説明したいと思います。

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