第百八十七段:首都直下地震①
山口県地震・津波防止対策検討委員会の第1回委員会が4月22日に開かれました。
それを契機に、これまで被害想定とその対策、そして山口県は南海トラフ巨大地震に対して死傷者をゼロにできることを書いてきました。
その前提となっているのは、約10年前の地震・津波被害想定結果です。
これから3年にわたって被害想定の見直しをしますが、震度、津波の襲って来る時間や高さはそんなに変わらないと思います。
大きな変化は社会の方で起こっており、高齢化や人口減少、建物の耐震化、あるいは老朽化などの変化です。
自主防災組織の活動や防災士の人が増えた一方、相変わらず防災に無関心な人がたくさんいます。
来年には、被害想定が一応まとまり、引き続き対策をどうする進めるか、という検討が行われます。
その結果は適宜ご紹介したいと思っています。
さて、昨年は関東大震災から100年を迎えました。
各種記念行事も行われました。
さらには最近関東でよく地震が起こっています。
そのこともあってでしょうか、よく関東の方は大丈夫でしょうか?という質問を受けます。
私は即、「大丈夫ではありません。近いうちにM7クラスの首都直下地震が起こる可能性があります。」とお答えしています。
それは別に脅すのではなく、本当のことを知って頂いて、備えて頂きたいからです。
またご本人は山口県に住んでいても、家族や親せきが関東や東京に住んでいる人がたくさんいらっしゃいます。
私の次男一家も東京都のあきる野市に住んでいます。
今、首都直下地震が起こると首都圏は大変なことになります。
図は国の地震調査研究推進本部がまとめた、1600年以降の首都直下地震の前提となっている関東での地震活動です。
関東では、1703年の元禄関東地震、1923年の関東大震災のようなM8クラスの巨大地震が二百数十年に一度起こります。
これは相模トラフで起こります。
首都直下地震はこのM8クラスの巨大地震の間に起こるM7クラスの地震のことを言います。
阪神・淡路大震災や熊本地震、能登半島地震クラスの地震です。
関東の地震活動は、巨大な地震が起こったのちの約100年は静穏期、そして活動期を迎え、首都直下地震はその活動期の間に何度も起こります。
関東大震災から100年を経て、関東は活動期を迎えつつある、というのが現在の状況です。