第百七十七段:台湾の地震
4月3日に台湾東部で大きな地震が発生、死者は10人を超え、まだ不明者もいるとのことです。
台湾は、東南東から進んできたフィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に潜り込み、その潜り込んだプレートの上のユーラシアプレートの端に形作られています。
すなわち西日本と同じよにプレート同士がぶつかり合って、その上に形作られているという環境にあります。
したがって、台湾も西日本と同様、フィリピン海プレートが動きを止めない限り、繰り返し地震が起こります。
このような環境から、台湾には北北東から南南西に走る活断層がたくさんあります。
今回の地震はそのうちの台湾東部の海岸線にある活断層が動いて起こったものです。
台湾の地震といえば1999年9月21日にも大きな地震が起こっています。
この時は台湾のほぼ中央を走る活断層が動き、台中市が大きな被害を受けました。
2400人以上の犠牲者が出ました。
私もこの地震の被害調査に行きましたが、市内の道路や学校のグランドに上下方向に1.5m以上食い違いのある活断層が動いた跡が残っていました(写真)。
また別の場所では活断層の動きによって完全に壊れたダムもありました。
そのダムの管理事事務所の方の好意で、壊れたダムの先端まで歩いていきましたが、ダムを壊す直接の原因となった断層の食い違い量は5m以上にも及んでいたように記憶しています。
1月1日の能登半島地震、4月3日の台湾東部の地震に続き、4月8日は鹿児島県大隅半島の東方沖でもマグニチュード5.1の地震が起こっています。
フィリピン海プレートが潜り込むことによってユーラシアプレートとの境界に相当地震エネルギーがたまっていて、あちこちの地殻の弱いところ(すなわち活断層)が壊れているように思われます。
2016年4月の熊本地震もその一環と考えていいでしょう。
いずれ近いうちに大きな地震が南海トラフで起こります。
今からしっかりと備えをしておくことが必要です。