第四十七段:災害情報の収集を ~洪水にはダム情報も使おう~
引き続き「山口県土木防災情報システム」の見方ですが、今週は「ダム情報」について説明します。
雨が降り続くと状況によっては厚東川ダムの放流が行われ、下流の水位に影響を及ぼします。
「山口県土木防災情報システム」の「ダム情報」には「ダムマップ」と「ダム観測局一覧」のボタンがあり、「ダムマップ」をクリックすると県が管理する県内全ダムに流れ込む水の量の状況が■で図示されます。
赤い■は洪水量以上、黄色い■は洪水量の70%以上、白い■は通常の流入量です。
「ダム観測局一覧」をクリックすると図-1に示す表が表示されます。
これは9月8日午前6時現在の状況ですが、厚東川は「放流中」という表示になっています。
その横に「2021/08/10 10:30」という表示もあります。
これは放流開始時刻で、先月中旬の大雨以来、ほぼ1か月放流を続けていることを意味します。
そこで、「厚東川ダム」をクリックすると「諸量グラフ表示」、「貯水位グラフ表示」、断面図表示」、「諸量一覧表示」、「貯水位履歴グラフ表示」の5つのボタンがあり、様々なダムの情報を知ることができます。
その中で「断面図表示」を示したのが図-2です。
この図より、現時点ではダムへ流れ込む水の量、すなわち流入量とほぼ同じ量を放流していることが分かります。
「貯水位履歴グラフ表示」は過去4年間の厚東川ダムの貯水位を見ることができます。
これによると過去4年間に貯水が0に、すなわち宇部市の水がめがほぼ空になった時が7回もあったことが分かります。
実は、ダムの水位のコントロールは非常に難しく、最近は洪水が起こるとなぜ「事前放流」をしなかったのか、と言った声が良く聞かれますが、「事前放流」がそう簡単ではないことを次回は書きたいと思います。