第八十二段:国の「南海トラフの地震活動の長期評価」から、次の地震まであと10年程度?

 前回、「南海トラフの地震活動の長期評価」(2013年5月発表)には非常に重要なことが述べてある、ともったいぶったことを書いて終わりました。
 今回はその“非常に重要なこと”を書きたいと思います。

 

 実は、南海トラフで巨大な地震が起こると、場所によって地盤が沈下したり隆起したりします。
 高知市は沈下する場所で、昭和21年の南海地震の時には市街地全体が約1~1.5m沈下しました。
 その様子を図-1に示します。

 

第八十二段:国の「南海トラフの地震活動の長期評価」から、次の地震まであと10年程度?

 

 強い揺れで当時の木造家屋はみな倒壊、その後津波にさらわれて何もなくなり、地盤が沈下したため市街地は海水に覆われてしまいました。
 今度起こる南海トラフの巨大地震では1.5~2m沈下することが予想されています。
 ほとんどのビルは揺れや津波で倒壊して流されることはありませんので、建ったまま一階部分が海面下、ということになります。

 

 一方、室戸岬は隆起します。
 この隆起の量が計測されていて、過去の地震のたびにどれだけ隆起したかを年代に対してグラフに描くことができます。
 図-2がその結果です。

 

第八十二段:国の「南海トラフの地震活動の長期評価」から、次の地震まであと10年程度?

 

 1707年の宝永地震の時は約1.8m、幕末の安政地震の時は約1.2m、昭和の地震の時は約1.1m隆起しています。
 この傾向はその前からも見ることができ、隆起の量と年代の関係はちょうど階段のようになります。
 そして階段のステップの下の所(図中の丸印)はほぼ一直線状(図の斜めの線)になります。
 その延長線上で、昭和の地震で隆起した線が交わるところ(図中の星印)が次の南海トラフの巨大地震が起こってもおかしくない時、ということになります。
 その時は、政府の評価では、昭和の地震から88.2年後、評価時点が2013年で、その約20年後、すなわち2030年を少しすぎたころとなります。

 

 評価時点からもう既に9年経っていますので、あと10年もすればそのXデーがやって来るということになります。
 他にも様々な傍証があり、次の南海トラフの巨大地震はいよいよ近づいている、といえます。
 たとえ約10年に起こらなくても、先になればなるほどエネルギーが蓄積され、地震は大きくなりますので、決してホットすることはできないのです。

 

 きちんと備えをすれば、幸い山口県は死傷者はゼロにできます(モノは壊れますが)。
 しっかりと備えましょう。
 そのためには、この防災徒然日記を読みましょうね。

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