第百三十四段:宇部市高潮ハザードマップについて②
先週は、今年4月市から各家庭に配られた高潮ハザードマップについて、平成21年に配布された前回の高潮ハザードマップとの違いについて説明しました。
想定した台風の中心気圧は前回が935hPa、今回が910hPaです。
これらの台風がどれくらい強烈なのか、宇部市がかつて大きな被害を受けた2つの台風と比較してみましょう。
その2つの台風とは、昭和17(1942)年の周防灘台風と平成11(1999)年の台風18号です。
表は2つの台風の各種データをまとめたものです。
周防灘台風では厚南地域が、台風18号では西岐波、東岐波地域が特に大きな被害を受けました。
表中の潮位偏差とは、台風による気圧の低下に伴う海面上昇と、吹き続ける強風によって海水が風下に吹き流され、それが陸などによってせき止められて生じる海面上昇を足したものです。
ちなみに気圧1hPaの低下に伴う海面上昇は約1㎝です。
周防灘台風の気圧が950hPa、台風18号のそれが960hPaですから、今回想定している台風の気圧が910hPaということは、それだけでも40~50㎝海面が高くなり、これに強烈な風による海面上昇が加わりますので、大変な高潮になることは容易に想像できます。
前回のハザードマップで想定した台風が935hPa、これと比べても25㎝は海面が上昇することになります。
したがって、今回のハザードマップでは前回のハザードマップに比べて浸水する範囲、浸水深さも相当広く、また深くなっています。