第二百九段:地震直前予知への挑戦⑦

 先週、村井先生の研究の紹介をし、もう少し高い精度が欲しい、ということを書きました。

 

 実は、M7以上の大きな地震ですと、その1~2時間前に予知できる、という研究成果が出ています。
 京都大学の梅野健先生の研究がそれです。

 

 先週紹介した村井先生は、「理由は解明されていないが、地震の前には様々な地象の異変が起きる」と述べておられますが、その“理由”は地震直前に震源付近から電磁波は放出され、それに動物や大気などが反応する、あるいは電離層に異常が生じるからでは、ということはこれまで紹介してきたように大体わかっています。

 

 村井先生の「理由は解明されていない」は、もっと厳密で物理的な説明が必要、ということだと思います。
 そしてその“理由”も梅野先生は明らかにして論文に発表されています。

 

 梅野先生の研究を知ったのは、本当に偶然のことでした。
 第百九十段で、今年の5月24日に種子島のJAXA宇宙センターを訪問、打ち上げ直前の「だいち4号」の本物の前で、プロジェクトマネージャーの宮川義久さんから直接説明を受けた、ということに少し触れています。
 その前夜、鹿児島市内でJAXAや衛星に関わる人達との懇親会が終わり、ホテルに帰ってニュースを観ようとテレビのスイッチを入れたところ、偶然、地震の直前予知の可能性について梅野先生が話をされていました。

 

 当然その時は梅野先生とは面識もなく、少し酔っぱらっていたのですが、これはすごい、と直感、梅野先生の名前をメモして寝ました。
 翌朝、インターネットで梅野先生のことを調べると、本当にすごい、という確信を持つと同時に、ぜひ会って話を聞きたいと思いました。

 

 宇部に帰って、梅野先生に「会って話を聞かせて頂きたい」という趣旨と共に、私がそれなりに研究もし、工学部長や副学長も務めた変な人間ではない、ということを証明するために略歴も添付して、メールを送りました。
 すぐに梅野先生から連絡があり、お会いしましょう、とのこと。

 

 ただ、お互いの日程がなかなか合わず、面談が実現したのが、7月26日(金)13:15分から14:15分の1時間。
 すぐに意気投合、これをとにかく早く社会実装し、一人でも多くの人の命を救いましょう、と約束しました。
 写真はその時のものです。

 

第二百九段:地震直前予知への挑戦⑦

 

 


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