第七十段:南海トラフ巨大地震が近い ~緊急地震速報が出たらどうする?~
南海トラフで起こる地震には様々なパターンがあり、典型的なものとしては、想定震源域の半分くらいでまず地震が起こり、しばらくして残り半分で地震が起こるパターン(半割れ)、あるいは一部でまず地震が起こり、その後また残りのどこかで地震が起こるパターン(一部割れ)、といったものが考えられています。
相手は自然ですからそのほかのパターンも考えられます。
このような場合には、M=8クラスの地震が起こったとしても、引き続きM=8クラスの地震が起こる可能性があり、「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」を出して、引き続き警戒を呼びかけることになっている、といったことを先週書きました。
では(巨大地震警戒)あるいは(巨大地震注意)が出されたとき、私たちはどうすればいいのでしょうか?
“幸い”、というと太平洋に面している地域の人から叱られるかもしれませんが、山口県に住んでいる私たちは慌てる必要はありません。
「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)」が出される前にM=8クラスの地震が起こったとすれば、それとほぼ同様の揺れ、長さ2~3分、場合によってはもう少し長い揺れがあるかもしれません。
図—1に南海トラフ巨大地震が起こった時に想定されている宇部市の震度分布を示します。
これによると沿岸部の一部で5強、市の大半が震度5弱、北部から山陽小野田市との境界にかけて震度4となっています。
緊急地震速報が出されても強い揺れが来るまでには30秒以上の時間があると考えられます。
ですから緊急地震速報が必ず聞けるようにしておき、もし出されたら安全なところに移動し、身の安全を確保しましょう。
また津波も図—2からわかるように地震が起こって第1波が到達するまで約3時間半時間があります。
避難するには十分な時間があります。
揺れが収まって、慌てずに声を掛け合って、また助け合って安全なところに避難しましょう。