第百一段:首都直下地震①
先週お約束したとおり、これから数回にわたって、首都直下地震の被害想定について書きたいと思います。
その理由は首都直下地震が近づいているからです。
宇部空港から1時間半の遠い(近い?)首都圏のことで、宇部あたりに住んでいる私たちには関係のないこと、と思ってはいけません。
読者の皆さんの中には首都圏に家族の方が、親戚の方が、あるいは友人、知人がたくさんおられるとことと思います。
それだけではありません。
もし今首都直下地震が起こったら、へたをするとその直接被害額だけで100兆円を超える可能性があり、日本は完全に機能を失うだけでなく、経済的に沈没してしまいます。
100兆円と言えば日本の国家予算の1年分、もので例えると、瀬戸大橋が100本(1本しかありませんが)消えてしまうのです。
宇部周辺に住んでいる私たちにとっても決して無関係ではないのです。
今政府はウクライナとロシア、中国、北朝鮮、さらにはコロナ対策で本当に大変なのですが、着実に首都直下地震と南海トラフ巨大地震が近づいており、これらに対する対策を今のうちにしっかりと行っておく必要があります。
ちなみに南海トラフ巨大地震の直接被害額の想定は約200兆円です。
私たち個人にはできることに限りがありますが、できるだけの備えをしておかなければなりません。
これから書く内容は決しいたずらに皆さんを怖がらせるためではなく、客観的データやシミュレーション結果に基づいた情報によるものです。
相手が気まぐれな自然ですから、この通りになるとは限りませんが、似たようなことは起こると思った方が良いでしょう。
さて、来年は2023年、1923年の関東地震から100年になります(ちなみに、「関東大震災」は関東地震による災害のことです)。
国の中央防災会議・首都直下地震対策検討ワーキンググループは平成25年12月に最終報告を公表しています。
図-1は首都圏の過去の地震活動です(首都直下地震の被害(概要)より)。
首都圏ではマグニチュード(M)8クラスの地震が200~300年に一回起こっており、図では1703年の元禄関東地震、1923年の関東大震災がそれにあたります。
その間の前半が静穏期であまり地震の起こらない期間、後半がM7クラスの地震が何度も起こる活動期になります。
そして今はまさに活動期に入るタイミングなのです。
30年以内にM7クラスの地震が起こる確率は70%と言われています。