第百四十八段:「モロッコの地震」
日本時間の9月9日 (土)午前7時11分頃、アフリカ北部のモロッコでマグニチュード6.8の地震がありました。
震央はモロッコ中部ハウズ州の山岳地帯で(図-1の円の場所)、震央近くでは日本の気象庁震度階6弱に相当する強い揺れが襲ったようです。
この地震で、これまでに約2900人が死亡、約2600人がけがをしたとの報道がありますが、この数は残念ながらさらに増えるでしょう。
今回の地震でこのように人的被害が多くなった理由の一つは、被害が大きかった山岳地帯などの家は「アドベ」と呼ばれる日干しレンガを積み重ねて作った家で、耐震性が非常に低いためです。
また、アメリカ地質調査所によると、今回の震源地から500キロ以内の地域では1900年以降マグニチュード6以上の地震は起こっていないということで、地震に対する備えもほとんどなかったのではないかと思われます。
一方で、1960年には西部の大西洋沿岸地域でマグニチュード5.8の地震が発生し、1万2000人以上が死亡したという記録もあります。
またモロッコの北部の地中海沿い(図-1の楕円のところ)ではマグニチュード6以上の地震が過去にたびたび起きています。
図-2は地震が発生した場所を点で示したものですが、この図が示すように地中海周辺(楕円の地域)はユーラシアプレートとアフリカプレートがぶつかり合って、地震が多発している地域です。
今回の地震もその一つと考えられます。