第百三十二段:風水害に備える・・・気象庁のキキクルの活用を④
引き続きゴールデンウィーク中の6、7日の大雨が降った時の「気象庁、キキクル」を見ていきます。
実は土砂災害のことが非常に気になっていました。
というのは、その直前の5日午後2時半ころ能登半島で地震が起こり、半島先端の珠洲(すず)市では震度6強が観測されていたからです。
図-1はキキクルを開いた時のページで、ここの『土砂災害警戒情報』をクリックしたときの画面が図-2の『土砂キキクル』です。
この図を見ると、まさに震度6強を観測した珠洲市に土砂災害「警戒レベル3相当」が出されていました。
地震による強い揺れで、山腹や斜面、がけに亀裂がたくさんできて、そこに雨水が入って地盤中の水分が多くなると、重くなるとともに弱くなって、斜面崩壊やがけ崩れなどの土砂災害が発生します。
実際、2016年4月に起こった熊本地震の時も、揺れによる斜面崩壊も多く発生しましたが、その後の大雨で、非常に多くの場所で斜面崩壊やがけ崩れが起きました。
逆にその2年後の2018年9月に起きた北海道胆振(いぶり)東部地震では、非常に多くの斜面崩壊が広い範囲で発生し、残念ながらこの時も多くの人が犠牲になりました。
実はこの地震の前、この地方では大雨が降っていて、地盤が柔らかくなっているところへ地震の強い揺れが襲ってきたのです。
幸いなことに珠洲市周辺では大雨による土砂災害で犠牲になった方は出ていないようです。
どうか皆さんも土砂災害のハザードマップを見て頂き、「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」、「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」内、あるいはその近くに住んでおられる方は、地震にも大雨にも十分注意をして下さい。