第四十四段:災害情報の収集を ~マイタイムラインを作ろう~

 台風9号の後は、盆前から梅雨前線のように大雨をもたらず前線が停滞、あるいは緩やかに移動して、九州から始まって日本の非常に広い範囲が豪雨災害に見舞われています。
 このような時にはテレビやラジオ、新聞でも大きく気象情報や被害の様子が報道されます。
 しかしこれらの報道は被災地が中心で、自分の住んでいるところの情報は、被災地であれば別ですが、まず報道されません。
 このようなときに大事なことは、自分で積極的に情報を取りに行くことです。
 その意味で、先々週から私が良く使っている「山口県土木防災情報システム」を紹介しているのですが、改めて情報の入手方法(経路)について整理して書きたいと思います。話が前後しますが。

 

第四十四段:災害情報の収集を ~マイタイムラインを作ろう~

 

 図は宇部市の高潮ハザードマップの気象情報や避難情報の伝わり方の図に、最新の情報を加えるなどして加筆修正したものです。

 

 この図からわかるように、情報はテレビやラジオなどの報道機関の他に、市役所から様々なルートを通じて市民の皆さんに伝えられます。
 警察、消防、あるいは自治会・自主防災会を通じて、また市役所から直接市のホームページ、登録をしている人には防災メールや防災情報FAXを通じて、さらに広報車や最近整備が進んでいる防災行政無線の拡声器(スピーカー)、導入が始まった防災ラジオなども経由して避難に関する情報が伝えられます。
 宇部市の場合には「FMきらら」からも情報提供があります。

 

 しかしながら災害が起こりそうなときには、特に今回のように非常に広範囲に、しかも長期にわたって災害が続くような場合には、受け身ではなく、自分から積極的に情報を取りに行くことが大切です。
 図の右側中央に「情報を積極的に取りに行きましょう」と書いていますが、その矢印の先には「気象庁・高解像度降水ナウキャスト、国土交通省・川の防災情報、NHK防災アプリ、山口県土木防災情報システムなど」と書いています。
 パソコンやスマートフォン、タブレットなどで、これら情報源にアクセスし、事前に情報を入手し、対応を考え、場合によっては早めの行動を起こす、これらのことが非常に大切です。

 

 そのためにも日ごろから自分の住んでいるところに、どのような災害の危険性があるかをハザードマップで調べておきましょう。
 避難場所、避難経路も確認しておきましょう。
 また一歩進んで、災害時の「マイタイムライン」を作っておいて、いざというときに慌てずに安全な行動がとれるよう準備をしておきましょう。

 

 よく「市の広報車が来て何か言っていたけど、何を言っていたかわからん」とか、「拡声器が何か言っていたけど何を言っていたかわからん」という苦情を聞きます。
 大体広報車が回って来るときや拡声器が何かを言うときは大雨が降っていたり、台風が近づいているときなので、雨は降るわ、窓は締め切っているわで、クリアーに聞こえないのが当たり前です。
 ですから、広報車がきたり、拡声器が何かを言っているときは、「これはただ事ではない」と思って、積極的に情報収集を行いましょう。

 

 来週は引き続き「山口県土木防災情報システム」の利用について書こうと思います。

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