第百十三段:南海トラフ巨大地震に備える②

 今週は県による、南海トラフ巨大地震による地震・津波被害想定結果(平成26年3月公表)のうち、宇部市、山陽小野田市、山口市の人的被害について紹介します。

 

第百十三段:南海トラフ巨大地震に備える②

 

第百十三段:南海トラフ巨大地震に備える②

 

 表-1は死者、表-2は負傷者の想定結果を原因別にまとめたものです。
 表には比較のために県内で最も人的被害の多い岩国市の結果も示しました。

 

 3段のうち、上段は冬の夕方6時。
 暖房や夕食の準備などで最も火を使っている時間帯、また通勤などで多くの人が移動している時間帯でもあります。

 

 中段は夏の昼の12時。
 多くの人が海水浴を楽しんでいる時間帯、また昼食の準備で火を使っている時間帯、1923年9月1日の関東大震災がこのタイミングでした。

 

 下段は冬の深夜。
 皆さんがよく眠っている時間帯、1995年1月17日の阪神・淡路大震災がこのタイミングでした。

 

 ここで、( )内の数値は家具などの移動や転倒によるもので建物倒壊の内数となっています。
 また、「その他」とはブロック塀の倒壊、自動販売機の転倒、屋外落下物(看板や割れたガラスなど)によるものです。

 

 3ケースいずれも0の時は見やすくするために一つだけ0で示しています。
 その0は全くのゼロではなく、0.4以下と解釈して下さい。

 

 これらの数値は過去の被害から統計的に式を作って(被害関数と言います)、コンピュータで計算します。
 したがって、完全に0とはなりません。
 また小数点以下を足して「合計」を出していますので、整数で丸めた数値の合計とは異なることがあります。

 

 さて、これらの表を見て、岩国市を除いて人的被害はほぼ津波に限られることがお分かりいただけると思います。
 岩国市の被害が大きいのは震源に近いため、また錦川のデルタ地帯に市街地が広がっており、やわらかい地盤のため、震度が大きいからです。

 

 次回は、津波からの犠牲者をゼロにする方法(準備)についてお話しします。

 

 


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