第七十三段:東北地方太平洋地震と東日本大震災 ~福島沖でM7.4の地震~
東北地方太平洋沖地震の津波で一面がれきの原となった仙台空港周辺を3月9日に訪問、11年後の現在の様子を第七十二段で書きました。
その間の3月16日の深夜、福島県沖を震源とする地震が起こり、宮城県と福島県の4市1町(登米市、蔵王町、相馬市、南相馬市、国見町)で震度6強が観測されました。
震源の深さは57キロ、マグニチュード(以下、M)は7.4、津波もあり、宮城県の石巻港で0.3m、仙台港で0.2m、福島県の相馬でも0.2mなどが観測されています。
犠牲者は4名、負傷者は200名に上るとされています。
この地震は図-1に示すように、日本列島の下に沈み込んでいる太平洋プレートの内部で起こったと考えられ、東北地方太平洋沖地震によって周辺の地殻内の力のバランスが変化したことによって起こったと考えられています。
実はこの海底の近くでは昨年も2月と4月の2度、同程度の地震が起こっています。
図-2はその震源域を示したものです。
中央の四角が今回の地震の震源域、それに重なるように左下(南西側)にあるのが昨年2月13日のM7.3、震源深さ55キロの地震、少し離れて上部(北)にあるのが昨年4月7日に起こったM7.2、震源深さ66キロの地震です。
マグニチュードも震源深さもほぼ同じで、太平洋プレート内で起こっています。
図中の小さな多くの点はこれら3つの地震の余震の震源です。
この図を見てお気づきのように、今回の地震と昨年4月7日の地震との間に隙間(破線の円で示した所、空白域?)があります。
近いうちにここでも地震が起こる可能性が考えられます。
もし起これば今回と同じような強い揺れが起こり、被害が生じることも危惧されます。
東日本大震災から11年経った今も東北地方は新たな震災の危険にさらされています。