第百七十八段:豊後水道の地震

 現在私は三重県の志摩市に来ていますが、17日深夜11時14分、宇和島市沖の豊後水道を震源とするM6.6の大きな地震が起こったというニュースが飛び込んできました。
 愛媛県と高知県で震度6弱の強い揺れを観測、山口県の東部でも震度4を各地で観測した、ということです。

 

第百七十八段:豊後水道の地震

 

 18日朝5時の時点では、この地震によって愛媛県で5人、大分県で2人の合計7人がけがをしているとのこと、また高知県、愛媛県では土砂崩れ、水道管の破裂などの被害が報告され、JR四国は一部の路線で18日は始発から運転を見合わせる、とのことです。

 

 この原稿は18日朝6時過ぎにホテルで書いています。
 ニュースによると今のところあまり被害の情報は入っていませんが、能登半島地震がそうであったように、時間の経過とともに状況が明らかになり、被害が増えてくるものと思われます。

 

 豊後水道での地震ですが、フィリピン海プレートが四国沖で四国の下に潜り込み、その深さが40~50㎞になったあたりで過去も繰り返し起こっています。
 そのマグニチュードは大きいものでM7程度です。

 

 同じメカニズムで安芸灘、伊予灘の海底でも繰り返し地震が起こっており、2001年にはM6.7の地震(平成芸予地震)が起こっています。
 1905年にはM7~7.5の「明治の芸予地震」が起こっています。
 その前も繰り返し安芸灘、伊予灘ではM7クラスの地震が起こっており、M7クラスの地震がいつ起こってもおかしくない状況です。
 南海トラフ巨大地震と同様、私たちはここで起こる地震に対しても注意する必要があります。

 

 さて、今回の豊後水道の地震に対して気象庁は、「すぐに南海トラフ巨大地震につながるものではない」という見解を示しています。
 確かにすぐには南海トラフの巨大地震が起こったり、発生時期がこの地震によって早くなったとは思いませんが、先週も書いたように、このように西日本で結構大きな地震が頻発していることは、相当地震エネルギーが西日本にたまっており、そのエネルギーを解放するために南海トラフの巨大地震が近づいている、ということは間違いないと思います。
 一層の備えが必要です。

 

 


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